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» 2011年06月03日 11時24分 UPDATE

デジイチ初心者応援:今日から始める単焦点レンズ(1)――「写真力」を高める単焦点レンズ (1/2)

せっかくデジタル一眼を買ったのに、いわゆる標準ズームレンズだけを使っていてはもったいないかもしれません。まずは単焦点レンズを楽しんでみましょうという話から始めましょう。

[mi2_303,ITmedia]

 最近のデジタル一眼はいわゆるレンズキットを購入すると、標準ズームレンズと呼ばれる(メーカーごとに差異はあるものの)焦点距離18〜50ミリ程度のズームレンズが付属しています。最近ではより焦点距離の長い望遠ズームレンズや、高倍率ズームレンズの付属するパッケージも用意されています。

 ズームレンズはさまざまなシチュエーションに対応できる便利なレンズですが、各メーカーのカタログを見ると、単焦点レンズと呼ばれるズーム機能がないレンズも数多くラインアップされています。便利なズームレンズがあるのに、なぜ単焦点レンズがあるのでしょうか。

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 初期のレンジファインダー式カメラや一眼レフカメラ用のレンズは、今で言う単焦点レンズしかありませんでした。やがて焦点距離を変化させることのできるズームレンズが開発され、その利便性から多くの支持を得ることになりました。ですが、構造的な複雑さもあるため、単焦点レンズに比べると、暗くて重く、画質面でも不利といわれていきました。

 近年では素材の革新や組み立て精度の向上などによって、プロ仕様のみならず低コストであることを求められる入門機用のズームレンズまでも、高画質になり価格も安くなりました。その種類も豊富になったことから、次に購入するレンズもズームレンズと考えてる方も多いのではないかと思います。

 ズームレンズが1本あれば遠くの物を大きく写せたり、広い範囲が撮影できるなど非常に便利なのですが、焦点距離の変化に伴う表現変化などといった、写真表現の感覚がつかみにくくなるという側面もあります。また、離れた被写体を撮る際についズームレンズを動かしてしまうため、自分が動けば気が付いたかもしれない見え方の変化に気が付きにくくなるという指摘もあります。

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photophotophoto 1本のズームレンズを使って、18ミリ相当/21ミリ相当/28ミリ相当/35ミリ相当/50ミリ相当/55ミリ相当と焦点距離を変化させました。焦点距離を意識せずに使いがちなズームレンズでは広角/望遠端だけを使いがちですが、細かな値の変化でも写真の印象が変わってきます

 同じ位置から同じ風景を撮るだけでも、焦点距離の変化に応じて、パースの付き方や、遠景、近景の見え方が変わってきます。単焦点レンズはズームができずに不自由と感じるかもしれませんが、実はその不自由な側面を利用者がカバーしていく内に、写真撮影の基本が身につく、まさに写真力がアップするレンズなのです。

標準レンズを使ってみよう

 今回、カメラボディにニコン「D5100」とソニー「α55」を使用して、35ミリ換算50ミリの焦点距離で撮影してみようと思います。レンズにはD5100用として「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」、α55用には「DT 35mm F1.8 SAM」を用意しました。両機種ともAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載していますので、「35mm」と表記されたレンズを装着した際には35ミリ換算約52.5ミリ相当となります。

photophoto ニコン「D5100」&「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」(写真=左)、ソニー「α55」&「DT 35mm F1.8 SAM」(写真=右)、

 この状態でファインダーをのぞく、ちょっと窮屈な印象を受けるかもしれません。この焦点距離のレンズは、漠然とシャッターを押してもあまり面白い写真にはなりません。単焦点レンズの基本は写したい物をはっきりと決めて、しっかりと撮ることです。

 例えば、道の奥行き感を出したい路上スナップでは、撮りたい物と道の見え方で構図を決めます。高い位置や低い位置などアングルも工夫すると、普段見慣れていないアングルの写真は新鮮に見えるという効果があります。絞りは撮りたい物だけに集中させたいのであれば絞りを開けてボケを作り、逆に風景全体での雰囲気を出したければ絞って全体的にピントが合うようにします。

 このように単焦点レンズは、カメラマンの工夫と演出で写真ならではの表現が可能となるレンズです。意外とこの試行錯誤が楽しかったりするものなので、是非単焦点レンズでの撮影を楽しんでみてください。なお、標準ズームレンズと単焦点レンズのボケについてはこちらで言及していますので、ごらんいただけると幸いです。

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