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NEX-5で「ピクチャーエフェクト」を試す

» 2011年06月21日 15時16分 公開
[ITmedia]

 6月20日、ソニー「NEX-3」「NEX-5」用の新ファームウェアが提供開始された。提供開始されたファームウェアのバージョンは「Ver.04」で、適用することで新たに「ピクチャーエフェクト」とMF撮影時にピントの山を視覚的に確認できる「ピーキング機能」が利用できる。

 ピクチャーエフェクトは昨日発表された「NEX-C3」から採用された新機能で、いわゆるデジタルフィルター機能で、「ポップカラー」「トイカメラ」「ポスタリゼーション」など11種類の効果が用意されている。NEX-5を例に、ファームウェアの適用から、ピクチャーエフェクトの効果、ピーキング機能について確認した。

photo ピクチャーエフェクトに用意されている「ポスタリゼーション(カラー)」を利用して撮影。ビワの黄色が目を引く

ファームウェアをアップデートする

 ファームウェアのバージョンアップ方法はこれまでと同様。Ver.02や03を適用したことのある人ならば迷うことはないはず。ファイルはサポートページより入手するが、バージョンアップに際しては残量の十分なバッテリー(あるいはACアダプター)が必要となるので、準備をしておこう。なお、今回提供開始された「Ver.04」は以前提供されたファームウェアアップデートの内容も含んでいる。

 ファイルをダウンロードしたら、カメラのパッケージに付属するUSBケーブルでカメラとパソコンをUSB接続し、アップデートを行う。接続に利用するUSBケーブルについては、市販USBケーブルでの動作は保証されていないので、万全を期すためにも付属ケーブルを利用するべきだろう。

photo すべての手順が完了した後、「バージョン表示」でボディのファームウェアが「Ver.04」になっていればOKだ

 アップデートの手順そのものはダウンロードページに詳細が記載されているほか、ダウンロードされたファイルを解凍すると実行できるアップデーターにも説明されているので、説明を読みながら進めていけば問題ないはずだ。「アップデート実行」の段階に入るとやや待たされ(約3分ほど)、その間、カメラの液晶には何も表示されないので少々とまどうかもしれないが、アップデーターのプログレスバーはゆっくりとだが進むので焦らずに待ちたい。

 すべての処理が完了し、「完了しました」との表示がでたところでカメラの電源を切り、バッテリーをいったん外し(もしくはACアダプターを外し)、再度電源を入れ直せばすべて完了。「メニュー」「セットアップ」「バージョン表示」でボディのファームウェア表示が「Ver.04」になっていればOKとなる。

「ピクチャーエフェクト」を試す

 新機能「ピクチャーエフェクト」は撮影モードの1つとしてメニューから選択できる。用意されているのは「トイカメラ」「ポスタリゼーション(カラー)」「ポスタリゼーション(白黒)」「ポップカラー」「レトロフォト」「パートカラー(レッド)」「パートカラー(グリーン)」「パートカラー(ブルー)」「パートカラー(イエロー)」「ハイキー」「ハイコントラストモノクロ」の11種類。NEX-C3ではこれら効果を重ね合わせて利用できるが、NEX-5にVer.04ファームウェアを適用した状態では単純な選択のみで、重ね合わせての適用はできない。

photophotophoto 左から「おまかせオート」、ピクチャーエフェクトの「ポップカラー」「レトロフォト」
photophotophoto 左から「パートカラー(レッド)」「パートカラー(グリーン)」「パートカラー(ブルー)」
photophotophoto 左から「パートカラー(イエロー)」「ハイキー」「ハイコントラストモノクロ」
photophotophoto 左から「トイカメラ」「ポスタリゼーション(カラー)」「ポスタリゼーション(白黒)」

 また、NEX-C3では撮影モード「おまかせオート」の状態でセンターボタンを押すとこれらを適用できるが、NEX-5にVer.04ファームウェアを適用した状態では「シーンセレクション」とほぼ同様の扱いとなるため、「絞り優先で撮影した後、ピクチャーエフェクトを使いたい」といった場合には一度メニュー画面を呼び出し、「ピクチャーエフェクト」を選択してやる必要がある。

photophoto ファームウェアVer.04適用後の「撮影モード」。「シーンセレクション」と「人物ブレ軽減」の間にピクチャーエフェクトが新たに用意されている(写真=左)ピクチャーエフェクト「トイカメラ」での撮影中。コントロールホイールは機能しないほか、ソフトキーへの任意機能割り当ても利用できない(写真=右)、
photophoto ピクチャーエフェクト利用中の「明るさ・色合い」。ISO感度や測光モード、DRO/オートHDRなどの項目がグレーアウトしている

 ピクチャーエフェクト利用中、撮影モードとしてはフルオート撮影に準じるようでAFエリア切り替えやAFモード切り替え、測光モード切り替え、RAW撮影(RAW+JPEFも撮影できない)、ISO感度調整、DRO/オートHDRなど一部の撮影設定は利用できなくなる。また、ソフトキーC(コントロールホイールの中央ボタン)はおまかせオート時は「背景ぼかし」だが、ピクチャーエフェクト利用中は撮影モード切り替えの呼び出しとなる。ただ、動画は任意のピクチャーエフェクトを適用しながら撮影できるので、被写体やシーン次第ではちょっとおもしろい映像を撮ることもできるようになる。

 具体的な効果については上の写真を参照してほしいところだが、いずれもかなり特徴的な仕上がりとなり、かつ、効果に強弱をつけることもできないため、基本的には飛び道具といったところだろうか。特徴的なだけにうまくハマれば印象的な1枚を撮影できるほか、動画への適用も試してみるとかなり新鮮な映像となる。

 ピーキング機能はマニュアルフォーカス撮影時に、ピントの合った部分の輪郭を指定した色で強調してくれる機能。有効にするには、「メニュー」「セットアップ」「ピーキングレベル」で設定する。輪郭がシャープな部分をピントがあったと判断するため、被写体によってはうまく機能しないこともあるが、ダイレクトマニュアルフォーカス(DMF、AF後に手動でピント調整を行える)撮影時も有効なので、合焦位置を正確に把握したい時には有用だろう。

photo 輪郭部のカラーを「イエロー」に指定してのピーキング機能の使用例

 ピクチャーエフェクトについて欲を言えば、A/S/Mの撮影モード時にも使いたいと思えるし、1回のシャッターでピクチャーエフェクトあり/なしの2枚を撮影してほしいとも思う。それにピクチャーエフェクトの呼び出しがメインメニュー経由のみというのも不満を覚える。ソフトキーA/B/Cいずれかにピクチャーエフェクトを割りあえてられればより積極的に使いたいという気分にさせられるだろう。ただ、ファームウェアのアップデートだけでこれだけの機能追加が提供されるのはユーザーとして喜ばしいことある。

photo 「トイカメラ」
photo 「レトロフォト」
photo 「ポップカラー」
photo 「ハイコントラストモノクロ」

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