NEXのユーザー層は(たぶん)大きく2つに分かれてる。
ひとつはソニーが狙っているであろう、コンデジからのステップアップユーザー。コンデジとあまり変わらない大きさや気軽さで撮れるのに、得られる写真はAPS-Cサイズセンサーならではの一眼レフクラスなのだから、乗り換える価値は十分にある。
もうひとつはセカンドカメラユーザー。デジタル一眼レフのセカンドカメラとしてNEXを選んだ層だ。NEXならサブカメラとしてちょうどいいサイズと画質だし、アダプタを介してオールドレンズを楽しむこともできる。デジタル一眼レフが苦手なアングル(超ローアングルとか)でもさっと撮れるのでサブとして持っているととても楽しい。
で、NEX-C3は前者のみならず、後者の層に向けても機能を強化したのだ。
コンデジ層には新たに「ピクチャーエフェクト」モードを用意した。最近はやりのデジタルフィルタで、トイカメラ風とかハイキーとかハイコントラストモノクロなんてのを撮れる。バリエーションを含めると全部で11個。「iAUTO」の強化も行われており、iAUTOでもピクチャーエフェクトを可能にしたことだ。
iAUTO時にセンターキーを押すと「マイフォトスタイル」に入る。ここで、背景ぼかし(絞り値の変更ですな)、明るさ(露出補正)、色合い(ホワイトバランス)、鮮やかさ(サイド)、セルフタイマーや連写、美肌効果、そしてピクチャーエフェクトをダイヤルを回しながら好きにセットできる。
従来のiAUTOは「背景ぼかし」以外はカメラ任せなので融通が利かず、使い勝手は悪かった。でもiAUTOにマイフォトスタイルが組み合わさることで、iAUTOでもある程度の絵作りが可能になったわけで、初心者にも慣れた人にも便利で楽しい機能になった。単なる「シーン自動認識フルオート」じゃなくなったのである。これは進化だ。
セカンドカメラ層にはカスタマイズ機能の強化。
前モデルは2010年秋のファームアップでセンターキー(ソフトキーC)と下のキー(ソフトキーB)に機能割り当てが可能になったが、C3はさらに拡張している。センターキーには5種類、さらに左右キーにも機能を割り当てられるため、合計8つの操作をカスタマイズできるようになったのだ。これでいちいちメニューに降りて操作しなければならないケースはぐっと減る。
たとえば右キーを撮影モードに、左キーをフォーカスモードに、カスタムにはISO感度やホワイトバランスやカラーモード、HDR……という具合に割り当てていくとそれなりに使い勝手はよくなる。ただし、このカスタマイズが効くのはP/A/S/M各モードのみなので、P/A/S/Mと他のモード(スイングパノラマやiAUTOなど)をいったりきたりすると混乱する。そこは残念。
もうひとつ、ピーキング機能もついた。昔のコンデジによくあった、コントラストが高い箇所(つまりAFがあった箇所)を強調表示する機能だ。これをオンにするとフォーカスモードをDMFかMFにしたとき、ピーキング表示される。どのレンズでも効くので、MFしか使えないオールドレンズを装着したときに便利だ。
それら以外のトピックとしては、AFが30%高速化した(短期間の試用では体感的な差はあまり感じなかったが、素早く合焦するシーンは増えていた気がする)、バッテリの持ちがよくなったなどだ。
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