パナソニックの「BN-SDCMP3」は、USB接続カードリーダー(パナソニックのカテゴリーでは“リーダーライター”と呼ぶ)の最新モデルで、USB 3.0で「UHS-I」にも対応することを特徴として訴求している。
USB 3.0については、ノートPCなどデバイス側インタフェースの対応も進んでおり、外付けHDDやメモリなど、周辺機器も多数登場している。一方、UHS-Iは、まだ、対応デバイスも多くないが、それでも、ハイエンドデジタルカメラ(例えばニコンのD7000など)で採用が始まり、ユーザーからも、高解像度設定における連写における優位性で評価する意見がでている。
PCでの対応は、パナソニックのLet'snoteシリーズをはじめとして2011年春モデルあたりから国内の各PCメーカーで対応するモデルを投入しつつある。ただ、それ以前のPCを所有するユーザーは、本体にSDカードスロットを内蔵していても、UHS-Iによる高速転送のメリットは享受できなかった。
このようなユーザーは、UHS-Iに対応したカードリーダを利用することになる。USB接続でUHS-Iに対応するカードリーダは、パナソニック、バッファローなどの製品が2010年から出荷されている。ただ、それらは、USB 2.0接続モデルであるため、例えば、パナソニックのカードリーダでBN-SDCMP3の前モデルになる「BN-SDCLP3」では、独自に用意したUHS-I対応の高速ドライバを適用した状態でも、公称の転送速度がUSB 2.0の実効転送速度とされる40Mバイト/秒程度となっていて、UHS-Iの最大転送速度とされる104Mバイト/秒から抑えた速度にとどまることになる。
BN-SDCMP3は、転送速度の最大理論値が480Mバイト/秒のUSB 3.0接続なので、その転送速度はUSB 2.0の制約を受けることなく、理論的にはUHS-Iで定義されている最大転送速度の104Mバイト/秒まで対応可能ということになる。ただ、実効速度としては104Mバイト/秒を下回り、パナソニックもBN-SDCMP3の公称スペックでは、独自に用意したUHS-I対応の高速ドライバを適用した状態で、90Mバイト/秒となっている。とはいえ、これでも、ベンチマークテストなどでHDDに対して行う転送速度の100Mバイト/秒に近い。
BN-SDCMP3のパッケージには、カードリーダ本体とUSB 3.0対応の延長ケーブル、パナソニックが独自に用意した専用の高速ドライバとユーティリティを収録したCD-ROMが付属する。本体に用意されたスロットは、SDメモリーカード用(SDメモリーカード、SDHCカード、SDXCカード対応)とmicroSDカード用(microSDカード、microSDHCカードに対応)の2スロットを搭載する。これは、前モデルのBN-SDCLP3と同じだ。
カードリーダ本体の形状は前モデルのBN-SDCLP3とほぼ相似で、上から見るとUSBのコネクタから横幅が広がる台形の断面になる。ただ、サイズはBN-SDCLP3の42.0(幅)×74.0(奥行き)×12.5(厚さ)ミリから、BN-SDCMLP3で39.0(幅)×72.0(奥行き)×12.0(厚さ)ミリとコンパクトになった。重さは約20グラム、USB 3.0対応の延長ケーブル込みで実測約89グラムだ。
コンパクトになったとはいえ、USBのコネクタからすぐに横幅が増える台形断面は同じなので、カードリーダ本体を直接USBに接続する場合は、隣接するインタフェースは使えなくなる。干渉を避けるには付属の延長ケーブルが必須だ。BN-SDCLP3にもUSB延長ケーブルが付属していたが、長さが実測で約14センチと、背面にあるUSBから正面に持ってくるには短いが、側面のUSBに接続するにはコードが余らずとり回しが簡単だ。逆に言うと、BN-SDCMP3に付属する長さ80センチの付属コードは背面から持ってくるにはちょうどいいが、側面に接続するともてあます。
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