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最初の完成形――キヤノン「IXY DIGITAL 200a」矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)

» 2011年07月15日 00時05分 公開
[矢野渉,ITmedia]
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「優等生」の写り

 IXY DIGITAL史上に残るデザインを持った200aを所有し、その存在を愛でる、という楽しみ方は正攻法だ。それだけの価値はあるプロダクトだと僕は思う。

 ただ、カメラである以上、写真も撮りたいところだ。ひと昔前のデジカメを手に入れたら、「クラシック・デジカメ」特有の癖のある絵を楽しみたいと誰もが思うはずだ。

 ところが200aに関して言えばそれは無理なのである。この時代にしてキヤノンの映像エンジン「DiGiC」はすでに必要十分な進化を遂げていたのだ。

 設定をすべてオートに設定して、何も考えずにシャッターを切っても、どんな状況でも見た通りのJPEG画像があがってくる。ミックス光源の難しいホワイトバランスも、苦も無く「記憶」の色に合わせてくる技術は舌を巻くほどだ。これはフィルムカメラ、デジタルビデオカメラのメーカーであり、しかもレンズメーカーでもあるキヤノンの他社に対するアドバンテージにほかならない。

 そういう意味で200aの写真は、「クラシック・デジカメで遊ぶ」の範囲では面白味に欠け、つまらない。優等生そのものだ。まあ、写りがいいからと文句を言うのも変な話なのだが。

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 200aは状態の良い中古を手に入れ、ガラスケースに飾り、ときどき取り出してはピカールで磨く、という楽しみ方が一番なのかもしれない。

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