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いい方向に吹っ切れた――小柄でかわいい LUMIX「DMC-GF3」(2/4 ページ)

» 2011年07月20日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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丸くて扱いやすいボディ。タッチパネルも慣れれば快適

 ボディは小さくなったがグリップした感じはいい。手当たりもなめらかだし、ボディ下部2/3くらいが膨らんだグリップには、右手中指がいい感じで沿う。

 操作はタッチパネルとボタンの併用で、ここもGF2と同じ。ただ、背面側電子ダイヤルが、十字キーと一体型のロータリーダイヤルに変更されたことで、操作性はやや落ちた。カメラを構えたままだとロータリーダイヤルは回しにくいし、電子ダイヤルでは可能だったクリック+ダイヤルによる露出補正がなくなったからだ。そこはタッチパネルでおぎなうべし。

photo 上面から。アクセサリシューはなし。マイクはモノラル。シャッターボタンと動画ボタンが並んで付いている。iAボタンを押すとすぐiAモードに切り替わるのはよい
photo 背面から。ディスプレイはタッチパネル式で、左上の「iA+」のアイコンをタップすると撮影モード切り替え。右にはQ.MENU、ぼかしコントロール、ディスプレイボタンが並ぶ。また任意の場所をタップするとそこにピントがあう。ディスプレイ右にはロータリーダイヤル月の円形十字キー、その上に再生ボタン、下にはQ.MENU兼Fnボタンがある

 それに伴い、上キーに露出補正が割り当てられ、ISO感度がメニュー内に引っ込んだが、「Q.MENU」ボタンに他の機能をあり当てられるのでそれで補うこともできる。Q.MENUはタッチパネルから呼び出せるので、ボタンはなくてもかまわないのだ。Q.MENUはGF2と同様、5つの項目を2ページ分カスタマイズできる。

photophoto MENUキーを押すとこの画面に。撮影モードもここから変更する(写真=左)、撮影モードは画面上の仮想ダイヤルで。指でアイコンをタップしてもいいし、ロータリーダイヤルを回してもいい(写真=右)

 タッチパネルの使い勝手はGF2を継承。感圧式なのでタッチしたかどうか微妙なことがあったり、レスポンスが少し遅れることがあるけれども、タッチAFは非常に便利で、iAUTO時はタッチしたところに追尾AFがかかるし、ピンポイントAFにすれば狙った場所にぴたりと合わせられる。

 タッチパネルのユーザーインタフェースはもっと洗練させることができると思うが、タッチパネルとキー操作をうまく使い分けていて好感が持てる。デジタル一眼レフの小型版だと思うと、もっとボタンやダイヤルを増やしてキビキビ操作したいと感じてしまうかもしれないが、GF3はそうじゃない。GF2までは操作性や拡張性にハイエンド機らしさもあったが、GF3ですっかり吹っ切れたようだ。

photophoto 新しく追加されたクリエイティブコントロール。リアルタイムで効果が確認できる(写真=左)、設定画面は昔ながらのリスト表示で、このときはタッチパネルは無効となる。普通に十字キーで操作する。無理に全部タッチパネルにしないところがいい(写真=右)

 むしろ、コンパクトで気軽に使えて、なおかつレンズ交換ができるコンデジで、コンデジよりはるかに高画質で撮れる楽しいカメラだと理解した方がいい。ビューファインダーを使ったり、セッティングに凝ったりしたいならDMC-G3を選ぶべき。あるいはオリンパスのE-P3でもいい。

 そういう意味では、ミラーレスカメラのボディも充実してきたなあと思う。

 マイクロフォーサーズ規格のレンズもいい感じに充実してきた。特に街歩きのスナップ撮影に便利な明るい単焦点ものが豊富になってきたのが楽しい。パナソニック製だけではなく、オリンパス製レンズまでも考慮するとかなり選択肢は広い。

 GFシリーズにレンジファインダーカメラ風なカチっとしたデザインを求めていた人は残念だろうが、そういう人はGF2か、オリンパスのE-P3を選択肢にすべきだろう。秋に出るオリンパスの「OLYMPUS PEN mini E-PM1」も合わせて、コンパクトなミラーレス一眼も面白くなってきた。

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