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とにかく気軽に楽しく撮れる カシオ“EXILIM”「EX-TR100」(2/4 ページ)

» 2011年07月21日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 自分撮り時は液晶モニタを180度回す。

 すると画面上に自動的に「セルフタイマー」アイコンがあらわれる。こういう芸はさすがだ。

photo ディスプレイを回転させて自分撮り状態にすると、自動的にセルフタイマーアイコンがあらわれる。これはよい趣向

 カメラを手に自分撮りするときは、フレームを180度開いて端を持つといい。縦位置で自分撮りするときはフレームを下にしてそこを持つといい。90度開いた状態だと、レンズが広角なので手やフレームが映り込んでしまう。

 さらに、フレームを少し開いて△状態にして机に置いたり、あるいはレンズ側を下にしてフレームで支える感じで置くと、適度なアングルでフリーハンド自分撮りが可能になる。これはひとつのウリだ。開いたフレームをその辺にひっかけてもOK、らしい。

photo フレームを開き、机の上に置いてみた。三脚穴はないが、こんな風に適当な場所にほどよい角度にして置いちゃえばOK

 フリーハンド撮影時に便利なのは、EX-TR100ならではの「モーションシャッター」モード。これが面白い。

 モーションシャッターを使うと、画面に丸いアイコンが現れる。これをモーションをチェックするポイントにドラッグしてシャッターを押すとスタート。後は、そのエリアに動きがあると、2秒のセルフタイマーが自動的にかかる。

photophotophoto EX-TR100らしいのがこのモーションシャッター。モーションを検出する枠を移動し(指でずずっとスライドさせられる)、シャッターを押し、そこに動きを検出したら2秒のセルフタイマーが自動的に作動して撮影される。これはなにかと楽しい

 例えば旅行先で、自分が指定した場所にはいると自動的に撮影が始まるとか、数人で一緒に撮るとき、誰かがそこで手を振るとそれがトリガーとなって撮影されるとか。セルフタイマーより柔軟で、セルフタイマーより楽しめる仕組みだ。何よりシャッターを押さなくてもいいし、何度でも連続で動いてくれる。

 と、このように面白いカメラなのだが、タッチパネルのUIはもうちょっと考えて欲しかった。

 まず画面の右にある「+」と「−」とスライドバーはデジタルズーム、その下に録画スタート用の赤丸アイコン。デジタルズームと動画以外の何かを触ろうと思ったら、左上に出ている小さな△のついたタブをタップする必要がある。するとメニュータブが表示されるので、ここで撮影モードや画面表示向きや細かい設定を変更する。

photo 撮影時の画面。液晶モニタ右にある細長いバーがシャッター。ちゃんと半押しもできる。その下が電源。画面の右端にある「+/−」とスライダーはデジタルズーム。その下が動画。デジタルズーム用に大事なスペースをさくのはどうかと
photo 液晶モニタ画面左上の小さな△のついたタブをタップすると、左からメニューがあらわれる。上から、MENU、撮影モード、表示方向、ディスプレイ表示、再生・撮影切り替えだ。このタブは小さいので、タッチシャッターをオンにしているとメニューを出したいのに撮影しちゃうことも

 タッチパネルのインタフェースは、iPhoneやAndroidを参考にもう少し洗練させて欲しかったかな。

photophoto MENUはカラフルなリスト式。指でスクロールしなければならず、時折、スクロールしたいのに項目を選んじゃってイラッとすることもあったりする
photophoto 撮影モード。EX-TR100らしい構成。MENUもこのようにアイコンが並ぶデザインにすべきではなかったかと(写真=左)、表示方向の選択。基本的にカメラの向きに応じて自動的に画面は切り替わるが、固定したいときはここで(写真=右)

 最後にEX-TR100の特徴をもうひとつ。

photo 液晶モニタ部上にSDカードスロット、横にHDMIとUSB端子がある。USB端子が汎用のものじゃないのは残念。今ならmicroUSBだろう。端子類は普段、フレームに隠れて保護されているのだからカバーは不要だろう。毎回フレームとカバーを開けるのはわずらわしい

 バッテリは脱着不可で、充電はUSB端子で行うのだ。デザイン優先なのだろう。個人的にはこれはアリだと思う。その充電はフレームを開いて行う。本体の隅に端子カバーがあり、付属USBケーブルを使ってパソコン本体や、USB出力を持つ各種電源を通して充電する。

 これはいいのだが、残念なのはコネクタ。EX-TR100の気軽さを考えると、汎用性の高いmicroUSB端子を採用すべきだったろう。そうすれば市販の様々なケーブルが使えたのに。

これ、スマートフォンになったら面白いんじゃない?

 EX-TR100はこのように「小型高倍率重視」の一般的なデジカメとは一線を画した、面白くて遊べる製品だ。気軽に持ち歩いてスナップを気軽に撮る、楽しみながら撮る、ちゃんとセッティングしてじっくり撮るのはほかの「まとも」なデジカメに任せて、スマートフォン以上に気軽に撮る。

 そんな楽しいカメラである。これを持って歩いてると、ほんと、無駄に何でも撮っちゃうのだ。

 ここまでやるなら、タッチパネルは静電容量式にして、通信機能もいれたいよね……って、もしかして、これ、そのままスマートフォンになればいいんじゃない? 大きさ的にもデザイン的にも、このままAndroid OSを入れて、デジカメメインのスマートフォンになったら、画期的デザインの面白い製品となるんじゃなかろうか。使ってたらそんな気がしてきました。どうでしょう。

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