パナソニックのマイクロフォーサーズ機“LUMIX”「DMC-G3」は、昨年発売した「DMC-G2」の後継機だ。ボディを小型軽量化した上で、連写やAFのスピードアップ、撮像センサーの高画素化、撮影機能の強化などを図っている。
まず注目したいのは、ひと回り以上小さくなったボディだ。従来モデルのDMC-G2は、ミラーボックスを搭載した一眼レフに比べるとかなりコンパクトなボディだが、最新のミラーレスカメラとしては特に小さいとはいえなかった。薄型路線のGFシリーズとは異なり、電子ビューファインダーやバリアングル液晶を搭載すると、ある程度のサイズになるのは仕方がないと思われた。
ところがDMC-G3は、グリップ部分をギュッと圧縮した上で、内部のレイアウトを一新することで、体積比約25%の小型化と重量比約10%の軽量化を実現した。電子ビューファインダーもバリアングル液晶も省かずに、この小ささを達成したのはお見事だ。
小さくて軽いことは、撮影のチャンス拡大にもつながる大きな価値といっていい。特に「G 14mm/F2.5 ASPH.」や「G 20mm/F1.7 ASPH.」などの薄型軽量レンズを装着した際は、その薄さが際立ち、気軽なスナップ用途に活躍する。ただし逆に、望遠ズームや高倍率ズームなどの大きなレンズを装着した際は、グリップが小さすぎて安定感に欠けるのはやむをえないところだ。
外装は、前面と背面にアルミニウム素材を配置し、その間を結ぶ側面から天面にかけては樹脂素材を採用する。今回試用したのは、3色あるカラーバリエーションのうちブラウンのモデルだったが、深みのある色合いとメタリックな質感がうまくマッチし、エントリーモデルにしてはまずまず高品位な雰囲気が感じられた。
ボディ天面の電源スイッチを入れると、ダストリダクションによるセンサークリーニングが自動で行われた後、素早く起動し、液晶モニタが表示される。液晶には、これまでと同じく3型(約46万画素)で、左右に180度、上下に270度まで回転する。バリアングル式であることは、初代モデルDMC-G1から受け継がれた利点だ。ローアングルやハイアングルからの撮影を無理な姿勢にならずに行える。
加えて、タッチパネル対応であることも前モデルから継承したメリットだ。タッチパネルでは、タッチした部分にピントを合わせる「タッチAF」のほか、ピントを合わせた後にそのままシャッターを切る「タッチシャッター」や、クイックメニューを表示する「タッチQ.MENU」、情報表示を切り替える「タッチDISP.」、絞り値を調整する「ボケ味コントロール」などが行える。不要であれば、各機能を個別にOFFにすることも可能だ。
個人的にはタッチシャッターは使用せず、シャッターの操作は通常のシャッターボタンを押すほうが使いやすいと感じたが、タッチAFについては重宝した。右手でグリップを握り、左手で液晶モニタを支えながら、左手の親指で液晶をタッチして好きな部分にピントを合わせる撮影スタイルにすぐになじめた。
タッチのレスポンスはスムーズで、操作にストレスは感じない。前モデル「DMC-G2」や上位モデル「DMC-GH2」のタッチパネルと比べた場合、タッチAFでピントを合わせられる範囲が画面の隅にまで拡大した点もありがたい。
AFは、ミラーレスカメラで一般的なコントラスト検出方式を採用する。センサーからの出力や処理エンジンの最適化によって、AFスピードはDMC-G2よりも高速化し、メーカー公称値で約0.18秒を実現している(標準ズーム使用時)。実写でも、ワイド側/テレ側を問わず、軽快に作動するAFスピードを確認できた。AFの動作音はほとんど無音に近い。
AFエリアのモードは、顔認識/追尾AF/23点/1点/ピンポイントに対応する。ピンポイントを選択した場合は、液晶上のタッチした部分が約5倍に拡大表示され、通常の1点AFよりもさらに細かいピントを合わせることが可能になる。
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