Wシリーズとしては初めてとなるタッチパネルの搭載によって、操作インタフェースは春モデル「DSC-TX100V」(レビュー)などTシリーズに似通った、ズームとシャッター、再生、電源のON/OFF以外はタッチパネルで行うスタイルになった(再生はタッチパネルからも可能)。
タッチパネル自体は感圧式だが、感度は高く、指先で軽く触れるだけで反応するので操作にもたつきは感じない。指先で触れた部分にフォーカスをあわせれば、その被写体を追尾してオートフォーカスをし続ける追尾AFも利用できる。撮影時には画面左に主に撮影設定に関するアイコンが5つ、右に撮影モード切り替えや画面詳細表示のON/OFFなどの3つが並び、左のアイコンについては利用頻度の高いものを任意に選択して並べることができる。
表示アイコンのカスタマイズは、利用する撮影モードによってどのアイコンがおけるかは変化する。撮影モードがおまかせオート/プレミアムおまかせオートならば連写や露出補正、画像サイズ切り替えなどまでしかカスタマイズできないが、プログラムオートならばISO感度やホワイトバランス、フォーカス位置、測光モードのアイコンも画面左に置いておける。つまり、撮影時に画面左上の「MENU」を押して選択できる項目ならば、アイコンとして画面左へ並べておけることになる。なお、撮影モードを切り替えてもアイコンカスタマイズは保持されるので、積極的に活用したいところである。
デジタルフィルターの「ピクチャーエフェクト」は、スイングパノラマやシーンセレクション、背景ぼかしと並ぶ撮影モードの1つとして搭載されている。分かりやすいと言えば分かりやすいのだが、通常撮影からピクチャーエフェクトを呼び出したり、ほかのピクチャーエフェクトに切り替える際、数度の画面タップが必要なのはちょっと面倒。画面左にアイコンを置いて、通常撮影からワンタッチで呼び出せればさらに利用頻度が上がるのにと思ってしまう。
裏面照射型CMOSセンサーを生かした連写&重ね合わせ系機能も健在。撮影モード「プレミアムおまかせオート」ならばカメラが状況を判断して連写と合成を行い、ノイズを低減してくれるし、スイングパノラマも高解像度のHRモードならば10480×4096ピクセルという広大な写真を撮れる。昨秋モデルから加わった「背景ぼかし」は対象にピントのあった画像とわざと外した画像を合成して背景をぼかすが、これも被写体との距離をうまくとれば“一眼っぽい”ボケのある写真がとれる。どれも画像が致命的に破たんする事は少なく、技術的な成熟を感じさせる。
ボディデザインは非常にシンプル。3型という大ぶりな液晶を搭載しながらサイズも92.2(幅)×51.9(高さ)×19.1(奥行き)ミリ、約117グラム(バッテリー、メモリースティックDuo含む)と、男性ならば手のひらサイズというより、手のひらにすっぽりと収まるサイズに感じられるはず。これならばスマートフォンなどと同時に持ち歩いても負担にならないだろう。
ソニーストアの販売価格的にはWX10/WX30/WX7となり、WシリーズではWX10が最上位モデルという位置づけになるようだが、タッチパネルやピクチャーエフェクトといった、TシリーズやNEXシリーズの特徴も盛り込んだ本製品は、その価格帯も相まって万人に勧めやすい。さまざまな層へアピールする、汎用性の高い新世代Wシリーズのファーストモデルといえよう。
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