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8つのキーワードから選ぶ、最新ミラーレスカメラ(2/2 ページ)

» 2011年08月04日 11時19分 公開
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「連続撮影枚数」――高画質で撮りたい、けど待ち時間でイライラしたくない

 実際にカメラを使ってみないとなかなかピンとこないのが、この連続撮影枚数だ。基本的に、スポーツ撮影でもしない限り、連続撮影枚数が少なくて困ることはない場合がほとんどと思われるが、連写機能を使用した場合やRAW形式で保存した場合などには、書き込み待ちが発生して思うように撮影できないこともある。「連続撮影枚数が多い=撮影用のバッファメモリーが大きい」というコストに直結する箇所だけに、ハイエンド機などが有利となる。

 今回対象としている機種の中で連続撮影枚数が最も多い機種はE-P3で、JPEGはカード一杯まで可能(東芝製「SD-E008GUX」使用時、同社測定条件による)、RAWで約17枚となっている。高画素となりファイルサイズが大きくなってきているため、メディアの書き込み時間も重要になってくる。できるだけ高速タイプのメディアを用意したい。

「フルハイビジョン」――映像にトライしたい人に

 コンパクトデジカメでもハイビジョン動画の撮影が可能となった今では、動画撮影機能自体がセールスポイントとしては弱く感じるかもしれない。だがマイクロフォーサーズやNEXシリーズのような大型センサーを搭載した機種では、コンパクトデジカメでは得られない大きなボケをいかした動画撮影が可能である。そして交換レンズを使用して、絵作りが行えるも、コンパクトデジカメにはない、レンズ交換可能なミラーレス機の強みだ。

 単純にセンサーサイズで選ぶなら、APS-Cサイズのセンサーを搭載するソニー「NEX-5」だ。AF撮影可能なレンズが現在のところ3本しかないという弱点はあるが、マウントアダプターを介してソニー「α」シリーズのレンズや他社製レンズを活用すれば(この場合はマニュアルフォーカスとなるが)、撮影の幅がぐんと広がる。

 センサー出力60fpsのパナソニック「DMC-GH2」も動画撮影に強いカメラだ。動画撮影時のフルタイムAFに対応したレンズ「LUMIX G VARIO HD 14-140mm/F4.0-5.8 ASPH./MEGA O.I.S.」のAF使用感も悪くない。ボケの絶対量ではNEX-5に一歩譲るが、動画撮影カメラとしての総合力はDMC-GH2が頭一つ抜けている印象だ。ちなみに、フルHD動画の撮影可能な機種は、オリンパス「E-P3」「E-PL3」「E-PM1」、パナソニック「DMC-G3」「DMC-GF3」ペンタックス「PENTAX Q」がある。

「交換レンズ」――撮影の幅を広げたい人に

 ミラーボックスを省略し、コンパクト化が可能となったミラーレス機だが、ただ小さいだけのカメラではそれはいわゆるコンパクトデジカメ。レンズを交換して撮影の幅を広げる事は、カメラの楽しみのひとつである。

 今回取り上げているモデルの中で、最も多くのレンズを用意しているが、マイクロフォーサーズ規格を採用しているオリンパスのPENシリーズと、パナソニックのLUMIX Gシリーズだ。標準ズームレンズ、望遠ズーレンズはもちろん、超広角レンズや個性的な薄型のパンケーキレンズ、明るい単焦点レンズなど様々なレンズが用意されている。交換レンズのバリエーションで選ぶならこれらのマイクロフォーサーズ機だ。

photophoto マイクロフォーサーズ規格には豊富な交換レンズが用意されている
photo 実売想定価格6000円前後のPENTAX Q用交換レンズ「PENTAX-05 TOY LENS TELEPHOTO」

 ソニーのNEXシリーズ用で現在販売されいる交換レンズは、薄型のパンケーキ、標準ズーム、高倍率ズームの3本。現状の3本でも日常の撮影や、望遠撮影などで困ることはないが、超広角レンズやF値の明るいレンズなど、他にはない個性を持ったレンズがまだない。9月には35ミリマクロが発売され、高級レンズなどのロードマップも公開されているが、残念ながら明確な発売日は発表されていない。

 注目しておきたいのが、PENTAX Qのレンズラインアップ。単焦点と標準ズームが用意されるまでは普通だが、ユニークシリーズと銘打たれた、低価格な(実売想定価格6000円より)交換レンズ群も用意され、レンズ交換の楽しみが気軽に味わえる。

「バッテリー」――交換バッテリーは必要?

 背面のディスプレイを使用したライブビュー撮影がメインとなるミラーレス機で気になるポイントのひとつがバッテリーの持ちだ。特に、最近はディスプレイサイズが大型化したことにより消費電力量の増加も気になる。下の表は、カタログスペック上のバッテリー容量と撮影枚数(CIPA試験基準)の一覧だ。

機種名 標準バッテリー型番 バッテリー容量 撮影枚数(CIPA)
NEX-C3 NP-FW50 1080mAh 約400枚
NEX-5 NP-FW50 1080mAh 約330枚
DMC-GH2 DMW-BLC12 1200mAh 約320〜340枚
DMC-GF3 DMW-BLE9 940mAh 約320〜340枚
DMC-G3 DMW-BLD10 1010mAh 約250〜270枚
E-P3 BLS-1(BLS-5) 1150mAh 約330枚
E-PL3 BLS-1(BLS-5) 1150mAh 未定
E-PM1 BLS-1(BLS-5) 1150mAh 未定
PENTAX Q D-LI68 1000mAh 約230〜250枚

 あくまでカタログ値での比較であるが、機種によって250枚から400枚と100枚以上の差があることがわかる。最も撮影枚数が多いのは、NEX-C3の400枚だ。一日400枚を撮りきることはなかなか無いが、お祭りなどのイベントなど熱中して撮影するとあっという間に数百枚を撮影することもあるので、やはり撮影枚数が多いに越したことはないだろう。

 撮影可能枚数はあくまでも目安なほか、動画を撮るとバッテリー消費は激しくなる。実際はカタログ値よりも少し下回る事を想定した上で、使用用途に合わせて予備バッテリーの購入も視野に入れて検討して欲しい。予備バッテリーは、コンパクトデジカメと比較すると高価なため、ポイントサービスを導入している販売店で本体購入時にポイントを使うなどの検討をしておくといいかもしれない。


 さて、8つのキーワードを紹介してきたわけだが、これらのキーワードは購入前に気になることはもちろん、実際に使ってみて気付く項目を含むようにしている。これらのキーワードから連想される自分なりのミラーレス機のイメージを明確にして、店頭やショールームなどで実際に触ったり、スタッフにしっかりと質問して良い買い物をして欲しいと思う。

関連キーワード

LUMIX G | OLYMPUS PEN | ミラーレス一眼 | α NEX | PENTAX Q


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