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携帯性と利便性に優れた小型軽量ミラーレス――オリンパス「E-PL3」(1/3 ページ)

» 2011年08月30日 08時30分 公開
[鈴木吾郎,ITmedia]
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高品位な薄型メタルボディ

 オリンパス「OLYMPUS PEN Lite」シリーズは、上位の「OLYMPUS PEN」シリーズに比べて機能や性能を少し抑えることで、より求めやすい価格を実現したエントリーユーザー向けのミラーレスカメラだ。2010年春に初代モデル「E-PL1」を発売した後、マイナーチェンジ機「E-PL1s」を経て、今年1月に第2弾の「E-PL2」を投入。そして、シリーズ第3弾となるのが今回登場した「E-PL3」である。

photo オリンパス「OLYMPUS PEN Lite E-PL3」に標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」を装着

 E-PL3のボディは、E-PL2に比べて体積比で約25%減、重量比で約17%減のコンパクト化を達成している。従来製品も一眼レフに比べるとかなり小型軽量だったといえるが、今回はさらにボディ全体が引き締まり、まるでコンパクトデジカメのような薄型軽量スタイルに生まれ変わった。外装はアルミ製の高品位な作り。ボディの質感や剛性感は、上位モデル「E-P3」と比べても遜色(そんしょく)ない。

photophoto 左が「E-PL3」で右が上位モデル「E-P3」

 無駄な意匠を省いたシンプルなデザインにも好印象を受ける。前面はレンズマウント部以外はフラットな形状で、ヘアライン処理を施した金属の素材感が引き立っている。グリップ部に突起は何もないが、標準ズームなどの小さなレンズを装着する限りは、ホールド感は特に問題はない。天面には、ホットシューやモードダイヤル、シャッターボタン、電源ボタンを配置。高く突き出たシャッターボタンの形状がユニークだ。

 背面には、本モデルの最大の特徴である可動式液晶モニタを装備する。可動の角度は、上向きに最大80度まで、下向きに最大45度まで。左右方向には動かないため、カメラをタテ位置に構えた場合には可動は役に立たないが、ヨコ位置撮影に関しては、構図の自由度を広げる大きなメリットになる。

photo 上下に可動するバリアングル式液晶を新搭載

 液晶には、3型46万ドットのハイパークリスタル液晶を採用。液晶の縦横比は16:9で、通常の4:3の画像は左右に空きが生じて、やや小さく表示される。上位機E-P3の3型61万ドットの有機ELに比べた場合、精細感とサイズ、発色、視野角のすべての面で見劣りするのは、価格差を考えれば仕方ないところ。ただ個人的には、液晶の表示精度の違い以上に、チルト可動式であることの利便性に魅力を感じた。

 小型軽量化のために内蔵フラッシュを省略した点は賛否が分かれる部分だろう。小さな外部フラッシュ「FL-LM1」が標準付属するので、フラッシュ撮影をするにはこれは持ち歩く必要がある。

photophoto 標準付属する外部フラッシュ「FL-LM1」(写真=左)、記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード。電源はリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の電池寿命は約300枚となる(写真=右)

スピーディなAFレスポンス

 電源ボタンを押すと、ほぼ瞬時に起動して液晶モニタが表示される。撮影モードは、フルオートに相当する「iAUTO」のほか、プログラムAEや絞り優先AE、シャッター優先AEなど全8モードに対応。天面のモードダイヤルを回して素早くモード選択ができる。

photo 天面のモードダイヤルで8種類の撮影モードを切り替える。その横のホットシューには外部フラッシュやオプションのビューファインダーを装着できる

 絞りやシャッター速度の切り替えには、背面のコントロールダイヤルを使用する。露出補正やAFエリア、ドライブモードについては十字ボタンを押してから、コントロールダイヤルで調整する。また、背面のOKボタンを押した場合には「ライブコントロール」と呼ばれる画面が表示され、ホワイトバランスやピクチャーモードなどの詳細機能を切り替えられるようになる。

 十字ボタンの右と下、およびFnボタンと動画ボタンに関しては、割り当て機能の変更ができる。自分にとって使用頻度の高い機能を割り当てておくといいだろう。

photo シンプルに整理された背面の操作部。動画を使わないユーザーは、動画ボタンに他の機能を割り当てておくのがおすすめだ

 AFは、上位機E-P3と同じく「FAST AF」システムに対応したことで、従来機に比べて測距スピードが大幅に短縮した。レンズキットに付属する標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」を使った場合、AFは静かつスピーディに作動し、スナップ撮影なら不満や不都合を感じることはほとんどない。ほかに「45mm F1.8」や「ED 9-18mm F4.0-5.6」、「ED 14-150mm F4.0-5.6」なども使用したが、いずれのレンズでもAFはてきぱきと快適に作動した。

 AFエリアの数が11点から35点に増加したことや、グループエリアAFやフルタイムAF、瞳検出AFに対応したことはE-P3と同様だ。E-PL3はタッチパネルではないので、AFエリアの直感的な移動はできないが、それ以外のAF機能に大きな差は感じなかった。

photophoto 「ライブコントロール」では、液晶の右端と下段にアイコンが表示され、ホワイトバランスやアスペクト比などの各種機能を切り替えられる(写真=左)、4つのボタンのカスタマイズができる(写真=右)
photophoto カスタムメニューでは、AF方式やフルタイムAF、MFアシストなどを設定できる(写真=左)、長秒時ノイズ低減や高感度ノイズ低減のほか、オートホワイトバランスの補正傾向を変更することもできる(写真=右)
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