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» 2011年09月13日 08時30分 UPDATE

NEXの本質を鮮明にした新世代機 ソニー「NEX-5N」 (1/4)

「NEX-5N」は見た目こそ前モデルから大きな変更はないが、タッチパネルの導入で操作性を向上させながらシンプルさも失っていない。「NEX」の本質にまた一歩迫るモデルといっていい。

[荻窪圭,ITmedia]

 同時に発表された「NEX-7」に注目が集まっているけれども、NEXの本質・真髄はNEX-5シリーズにあり、それがまた一歩完成に近づいたのが、NEX-5Nであるとわたしは思う。

photo NEX-5のデザインをほぼ継承したNEX-5N。マウントより小さい薄型グリップが特徴的

 NEX-5はどうしても外せないパーツ(撮像素子と液晶モニタとバッテリ)をベースにギリギリまでサイズ切り詰めることで(やりすぎて操作性を悪くしたりもしたけれども)、レンズ交換式カメラをデザインしなおし、液晶モニタをチルト式にすることで、自由な撮影スタイルを実現したカメラといえる。

 特に素晴らしいのはグリップ部のデザイン。小さくすることでホールドしづらくなったカメラはよくあるが、NEX-5は適度なグリップを確保し、さらに下部に凹凸をつけることで底にも指がひっかかるようになり、小さくても片手でしっかりグリップできる上、ローアングル撮影時に欠かせない親指シャッターグリップも安定させたのだ。

photo NEX-5(上)とNEX-5N(下)を比べてみた。基本的なデザインは継承しつつ、細部は微妙に異なっている

 ただ細かい操作だけは面倒だった。ファームアップで多少は良くなったが、ちょっと細かい操作をしようと思うと途端にキーを押す回数が増え、快適さが失われる。かといって、ボタンやダイヤルを無闇に増やすと、NEXならではのシンプルさが損なわれる。解決策はタッチパネルしかないように見えた。

 そしてそれが登場したのである。NEX-5Nだ。

タッチパネルを搭載したNEX-5N

 ソニーのNEXシリーズは、APS-Cサイズの撮像素子を用いたレンズ交換式デジタルカメラ。いわゆるミラーレス一眼だが、マイクロフォーサーズ機などに比べると撮像素子が大きい分だけ画質的には有利ながら、サイズ的には不利となっている。ただ、ボディはビューファインダーもストロボも非搭載として、ギリギリまでのサイズダウンを行った。レンズはやみくもに小さくできないため、結果、コンパクトなボディに大きなレンズというバランスになっているのがおもしろい。

photo 正面から。グリップ部のデザインや「5N」という文字が違う。この「5N」も逆から見ると「NS」に見えてしまうのだけど

 で、エントリー向けの3、主力モデルの5と用意されており、年内にハイエンドモデルのNEX-7も登場して3つのラインが完成する。NEX-5Nは主力モデルのNEX-5がモデルチェンジしたもの。ボディデザインはNEX-5とほとんど同じで、サイズも同じだが、中身が大きくバージョンアップしている。

 ここではひたすら、NEX-5からのバージョンアップポイントを中心に見ていくことにする。

 まずは撮像素子。画素数が有効1600万画素に増え、さらに高感度に強くなった。NEX-5はISO200〜12800。5Nは、ISO100〜25600と上下一段ずつ指定できるISO感度の幅が広がったのである。実際にその感度で撮ったときの画質はどうか、NEX-5と撮り比べてみた。

photo 左がNEX-5N、右がNEX-5。どちらもISO12800で撮影し、等倍表示したもの。明らかに5Nの方がディテールがしっかり描写されており、不自然さもない

 確かに違う。常用ISO感度時の画像も、5Nの方がディテールがしっかりしており、なかなかよい。

 次の注目ポイントはシャッター。「電子先幕シャッター」を採用することで、レリーズから撮影までの間隔を短くし、レリーズタイムラグ0.2秒実現した。確かに、NEX-5よりちょっと速い。

 ミラーレス一眼の場合、撮像素子の前にあるシャッター幕は常に開いていて、シャッターボタンを押すと「シャッター幕が閉じて開く→露光→閉じる」というステップで撮影される。スローシャッターで撮影すると、シャッター幕が開くときと閉じるときで2回音がするからよくわかる。

 NEX-5Nはこの最初の「閉じて開く」のタイムラグをなくすため、そこを電子シャッターにしたのだ。2回目の閉じる方のシャッター幕は健在。電子シャッターのみだと、CMOSセンサー特有のローリングシャッターゆがみが発生するからだ。

 電子先幕シャッターをオンにしてレリーズすると、確かに1回しか音が聞こえない。シャッター音がNEX-5と全然違ってて面白い。この機能はオフにもできる。正直なところ、AFスピードはもうちょっと上げて欲しいが、シャッタータイムラグがギリギリまで切り詰められたのは素晴らしい。

 その次はタッチパネルを含むユーザーインタフェースの進化だ。3型の液晶モニタは静電容量式タッチパネル液晶となった。触った箇所にピントを合わせるタッチAF機能はもちろん搭載しているが、特にタッチパネル用のインタフェースは用意してない。画面デザインは従来のまま、画面に表示された各種アイコンを指でもキーやロータリーダイヤルでも操作できるようにしてあるのだ。その場に応じて好きな方を使えるので、けっこうよい。

photo 背面から。16:9のワイドディスプレイで、右側はソフトキーの内容を示すアイコンが表示される。ボタンを押すかわりに、このアイコンをタップしても操作できる

 なお、デフォルトでは「自動追尾」がオンになっており、タッチすると勝手に自動追尾AFがはじまる。これは普段はオフにするのがお勧め。自動追尾だとAFポイントがズレやすいから。コンデジだと多少ずれても被写界深度が深いので大した問題にはならないが、APS-Cサイズのセンサーだとそうもいかないからね。

photophoto 相変わらずのチルト式液晶モニタ。静電容量式タッチパネルになったのが一番の変更点
photo 上から。電源スイッチの手前に再生と動画ボタンが並ぶ構成。グリップ部が飛び出していてシャッターボタンも押しやすい位置にあり、ボディがコンパクトな割にとても持ちやすい
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