では実践編だが、その前に4番目のポイントを。
だいたいこんな感じで考えるといい。
つまり、被写体が近くにあるほど被写界深度(ピントの合う範囲)は浅くなり、背景がボケやすくなるし、被写体に比べて背景が遠いほど背景が大きくボケる。当たり前だけど、壁の前に立ってる被写体より、広いところにぽつんと立っててもらう方が背景がボケるし、被写体が近い方が背景はボケる。
そういう意味では、料理や小物は被写体を近くに置くので背景のボケ具合をより楽しめる。明るいレンズで料理にぐっと迫って撮ると、背景がふわっときれいにボケてくれるのである。
というわけで、縦位置にして背景を広めにいれ、低い位置から撮ることで背景を少し遠くして撮ってみた。
近距離のモノを明るいレンズで撮るときはピントをどこにあわせるか注意すること。ピントの合う幅がものすごく狭くなるので、少しでもずれると狙った写真にならないのだ。
背景のボケを生かしつつ料理を撮るときは、逆光でプラスの補正をかけると後ろからの光でふわっとなるからお勧め。上のように後ろにガラスのコップなんかがあると、光が丸く反射してアクセントになってくれる。
遠くに強い光源があると、それが大きくぼけて光の円になる。
後ろに見える光の円は木漏れ日。夕日が木々の隙間で光ってる様子。被写体が近くて背景がぐっと遠いので、ただもやっとした色と光だけが残る感じになる。さらにメイン被写体を一部省いてみた。全部ボケ。
下の写真は、マニュアルフォーカスでわざとピントをずらして夜を撮った。これはこれで面白い。この光の円はボカせばボカすほど大きくなるので、あれこれ遊んでみると楽しい。
中央の赤い光は赤信号、その右下にある暗めで丸い光は「月」、下の方の白い光はクルマのヘッドライトやお店の灯りやそんなもの。これをやるときは思い切りマイナスの補正をかけて、光が白飛びしないようにすること。
ボケを楽しみたいときはやっぱ角度と背景の入れ方は重要で、ボカしすぎると何がなんだか分からなくなる。何がなんだか分からなくしたいときもあれば(背景を隠したいとか、後ろのクルマのナンバーや通行人は写したくないとか)、それはちょっと困るときもある。
背景の東京ゲートブリッジがぎりぎり分かるくらいまで絞って、手前の倒木にピントを合わせてみたのがこちら。
背景にほんのり東京ゲートブリッジという感じ。
次は暗くしっとりした感じで、張ってあるロープ(というより縄?)を斜めから思い切りボカて、しっとり感を出すためにマイナスの補正をかけて撮ってみた。
こうしてみると、ほんとに狭い範囲にしかピントがあってないのが分かると思う。
普段は立体感を感じない、なんてことないものもちょっと斜めから前後をボカして撮ることでかっこよくなったりする。
上から撮ると平面的なキーボードも、低い位置から斜めに撮ると前後がボケてちょっとかっこよくなる。
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