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カード型デジカメの先駆者、そして確信犯――カシオ「EX-S1」矢野渉の「クラシック・デジカメで遊ぶ」(2/2 ページ)

» 2011年10月03日 12時05分 公開
[ITmedia]
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photophoto 充電用のクレードル。本体ど同様のデザインでスタイリッシュだ(写真=左)、薄いのでパンツのポケットに入れても気にならないし、ケースなしでも大抵のことでは壊れない剛性がある。意識せずいつも持ち歩ける、まさに「ウェアラブル」と言えるデジカメだ

 このデジカメを手に入れてから、上着の内ポケットやパンツのお尻のポケットに無造作につっ込んで外出することが多くなった。カメラ付き携帯はもちろん持っているのだが、なぜかコイツを持ち歩きたい衝動にかられるのだ。

 もちろん今のレベルからすればたいした写真は撮れないことは分かっている。最大で1600×1200ピクセルの写真。でも、もしかしたら、と思わせる雰囲気をこのカメラは持っているのかも知れない。

photophoto SDメモリーカードのみ対応。最高画質で1枚1MB前後なので容量はあまり気にならない。ちなみにSDHCカードをさすとカメラが起動しない(写真=左)、バッテリーは超薄型のNP-20。まだ純正品が手に入るようだ(写真=右)

ビデオのひとコマを切り取ったような、ゆるやかな影像

 EX-S1の124万画素の写真は、当然緻密な描写などできない。おまけに37ミリ固定焦点、絞りは常に開放F2.5固定なわけだからピントはどの撮影距離でも合っているような、合っていないような、曖昧な画像になる。

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 でも、ホワイトバランスは割と正確だし、自動露出もそれほど極端に間違うこともない。意外なことに夜景も的確に適正露出をつかんでくれる。だからEX-S1が生み出す写真は全体にホンワカしているというか、甘くてユルイところが魅力だ。ものによってはすごく懐かしい気持ちにさせてくれる写真も撮れる。

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 髪の毛の一本一本まで細かく描写する写真はもちろんきれいだけれど、その中にこのエクシリムで撮ったゆるい笑顔のスナップが混じっていると、少しほっとして幸せな気分になれるのではないだろうか。

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