FX90はパナソニックの主力薄型コンパクトカメラのひとつ。1200万画素のハイスピードCCDを搭載し、CCDながらフルHD動画の撮影もできる。
発色もいいし画素数も抑え気味で好感を持てるが、それでも裏面照射型CMOSセンサーに比べると高感度時のノイズは多く、最高ISO感度は(フルサイズの場合)ISO1600である。レンズは35ミリ換算24〜120ミリ相当の広角系5倍ズームで、F2.5-5.9と広角側はなかなか明るい。
起動は速いし、モニタも見やすい。コンデジとしてはなかなかのレベルだ。背面は感圧式のフルタッチパネル仕様。撮影モードの変更も撮影・再生の切り替えもすべてタッチパネルで行う。ズームレバーは用意されているが、タッチパネル上でのズーミングも可能だ。徹底したタッチパネルデジカメなのだ。
タッチパネルの一番の利点である、タッチAFや触れたところにピントを合わせて撮影までするタッチシャッターも装備している。ズーミングから撮影まで全部タッチパネルでOKというわけだ。
画面デザインもタッチパネル用の設計されており、項目は環境設定も含めてすべてアイコン表示。画面に並んだアイコンをタップして決める。全部アイコン化したので、どれがどの機能を示すかよく分からないこともあるが、アイコン化した分、画面を上手に使えている。通常撮影モード時は、よく使う機能を2つだけ画面に出しておけるので、それを使えば操作性も多少上げられる。
撮影モードは、おまかせオート、通常撮影に加えて、シーンやコスメティックが用意されている。最近増えてきたデジタルエフェクト系は特に強化されておらず、サンドブラストなど従来からある処理がシーンの中に用意されているくらいだ。
アイコンが小さめなので指が太い人だと押し間違えやすそうなのと、感圧式タッチパネルの反応もうひとつなので、その辺が改善されるとうれしいが、フルタッチパネルコンデジとしては悪くないかと思う。
FX90を含む各社のデジカメは、スマートフォンのカメラ機能に比べると、光学ズームは持ってるしなんだかんだいって画質はいいしフラッシュもちゃんとしたものが搭載されてるのでカメラとしての基本性能はずっと高い。まあそれが本職なのだから当たり前だ。
でも、スマートフォンが持つネット接続機能にはどうしても勝てないので、その場で送ったり誰かに見せたい写真は、コンデジではなくスマートフォンでさくっと撮る人が多い。わたしもそのひとりであり、通信機能を持たないコンデジにとってはピンチである。
であれば、そこを当のスマートフォンを利用して解決しちゃおうというのがFX90なのだ。これなら、今公開したいとか送りつけたいとか、旅行先だから帰宅するまで待てない、ってとき、スマートフォンで撮り直さなくても、転送してすぐアップできる。
実は、個人的にも旅行先などで「あ、今デジカメで撮った写真をネットにあげたいんだけど、パソコンが手元にないし、家に帰ってからじゃタイムリーじゃないし、うー」となることがけっこうあるのだ。でもFX90なら、写真を無線でiPhoneに飛ばしてやるだけですぐコメント付でアップできる。よさげではないか。
このコンセプトをベースに発展させていければコンデジの活躍の機会も増えるはずで、対応機種が増えていくと面白そうだなと思う。とうとうデジカメがスマートフォンを利用する時代がきたのだ。
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