新機能となる外部AFセンサーと、コントラストAFセンサーを併用するハイブリッドAFシステムの速度も気になるところ。早速試してみたところ、その速さがすぐに体感できた。従来機ではコントラストAFの動作の様子が液晶モニターで見てとれたが、GR DIGITAL IVは迷わず一気にピントが合う。
外部AFを使わないマクロAFモードも高速化されている。従来機のAF動作は大きくボケた画像から徐々にピントが合う動きをしていたが、GR DIGITAL IVは改良されたAFアルゴリズムによって、従来機のような大きくボケた画像は一瞬しか表示されずスパッとピントが合う。マクロAFの速度向上が、体感的に一番わかりやすいかもしれない。
イメージセンサーシフト方式の手ブレ補正機能は、広角よりの焦点距離のレンズゆえに効果こそ地味だが、いざというときに役立つ。明るいF1.9のレンズと手ブレ補正の組み合わせで、屋内撮影がさらに強くなった。ただし、テスト撮影中に手ブレ補正を過信して低感度で撮影していたのだが、撮影後に画像をPCのモニターで見ると細かいブレが発生していた。片手で撮影していたという事も原因だが、ISO感度設定もしっかりと行って「手ブレ補正 + 明るいF1.9のレンズ + 高感度」の3つを組み合わせた、失敗のない撮影を心がけたい。
操作系はさらに柔軟なカスタマイズが可能となっている。ADJボタンへの項目登録変更はもちろんだが、Fnボタン ペア設定という項目がある。通常のカスタムであれば、Fn1、Fn2にそれぞれ機能を割り当てて終わりとなるところだが、このFn1、Fn2をペアとした機能割り当てを4つまで登録して、適宜、切り替えて使用できるようになった。
特にFn2ボタンにはセルフタイマーが刻印されている事もあり、カスタム後もできれば簡単にセルフタイマー設定ボタンとして利用したいと思うこともある。Fnボタンペアで標準の設定を残しておけば、ボタンのカスタムをやり直すことなく瞬時に切り替えることができて便利だと感じた。
そのほかにも従来は水平のみだった水準器が2軸となり、前後の傾き(アオリ)も測れるようになり、それに伴って、水準器の表示が変更となっている。従来通り縦の棒が水平を現し、横の棒が傾きを現す。前後の傾き表示は、ゲージの関係上大きく傾いている場合は傾いている方向へバーが4本表示され、傾きが無く微調整できる範囲になると一本の棒として表示されるようになっている。また、従来通り水平を音で確認出来るモードも健在となっている(※水平のみ)。
クロスプロセスや、ポジフィルム調で撮影できる画像設定モードは、色調やコントラスト、周辺減光などのパラメーターを持つものがあり、自分好みの設定を作ることが可能だ。この画像設定の呼び出しをボタンにカスタム登録して使う方法もあるが、オートブラケットの画像設定ブラケットを使用すれば、3種類の画像設定を一回のシャッターで生成することができる。
例えば、元画像となるスタンダードを選び、2枚目、3枚目にビビッドや白黒などを設定すれば、3枚の中から好みの写真を選ぶことができる。GR DIGITAL IIIのカラーブラケットの拡張版とも言える機能だ。狙った画像設定でブラケット撮影という使い方のほか、使い方がわからない画像設定をブラケットで撮ることで、どのようなシーンで使えば効果的なのかを学習することもできる。例えば、ハイコントラスト白黒は、コントラストが低いシーンで使用するとメリハリが出て面白い効果を得ることができるなど、使いながら応用方法を身につけられるので、オススメの機能だ。
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