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第145回 ポートレートとレンズの関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2011年10月20日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

逆光で撮ろう

 外で撮るとき気になるのが陽射し。一見、顔に陽射しが当たってると明るくてよさそうだが、まぶしそうな顔になる、顔に強い陰影が出ちゃうという欠点がある。これはよくない。晴天時に撮るなら逆光か半逆光がいい。

 それはほんのちょっとした角度や撮影場所の違いで解決できる。

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 実はコレ、同じ木。同じ木でも彼女から見て右側は陽射しが強く当たってて、左側は逆光になってたのでちょうど良かったのである。

 陽射しが当たってる方はコントラストもあって空も青くてきれいなんだけど、顔に強い陽射しがあたったおかげで、日陰になってる目の中は真っ黒だし、ほお骨の影が顎にまでかかってるし、おでこも真っ白。もともと白い女子なのでそれは仕方ないんだが。

 対して逆光だと、髪の毛に光が反射してきらっとしてて顔に強い光が当たってないので柔らかい感じになり、顔もよく分かるし肌色も出る。ただしカメラによっては逆光だと顔が暗くなる。そういうときはプラスの補正をかけて顔がほどよく明るくなるようにするべし。

photophoto そのまま撮ってはちょいと暗い(写真=左)、+1くらいの補正をかけてやると明るくなる(写真=右)

 もうひとつ、順光と半逆光の例を。

photophoto 左が順光、右が逆光

 どっちも同じレンズ同じ時刻同じ場所(撮影者だけが順光側と逆光側で移動してる)で撮ったとは思えないくらい違う。それが面白いところ。髪の毛がわざとらしく輝いてくれたり背景がいい感じでボケてくれたりするのも逆光側なのだ。で、さらにワンポイントってことで、目に光を入れてみた。

 普通は折りたたみ式のレフ板を使って撮るんだけど、大きいのは持ち運びが大変だし、目立つし、大げさになっちゃうので、こんなのを使ってみた。

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 これ、レンズにかぶせるドーナッツ型のレフ版。「忍者レフ」って呼ばれるもので、白い面を相手に向けると、反射光をちょっと当てられるし、瞳に白い光(キャッチライト)が入る。ちなみに裏側は黒で、黒い方を外に出すと室内から夜景を撮るときなどに映り込みを防止できたりする。お手軽なアイテムとしてひとつ持っておくと楽しい。

photophoto 左は忍者レフ使用。瞳にキャッチライトが入ってきれい

 普通に逆光で撮るより顔が明るくなり、瞳にキャッチライトが入るのだ。でも、これが雲が出てきて陽射しが弱まったり、外光がほんのり入る室内だったりすると話が変わってくる。顔にほどよく光を当てることでやわらかくていい陰影が出るのだ。

photo 少し陽射しが弱まった屋外
photo 曇ってきたので陰影が柔らか

 顔のアップシリーズの締めは角度を。上から撮るか下から撮るか。それが問題だ。

photophotophoto 下から、正面から、上から

 下から撮ると背景が空になる逆光状態に。プラスの補正をかけるとよし。陽射しが強くても撮られる方がまぶしくないというメリットも。上から撮るときは背景に気をつけて。

 さらに寝転がって撮る。

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 寝転がるとまた雰囲気が変わる。光の当たり方や撮るときのアングルで、同じ人でも全然違った雰囲気になる、という話でした。

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