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オリンパス、損失隠しで森久副社長を解任 「上場維持に努める」

» 2011年11月08日 13時59分 公開
[ITmedia]

 オリンパスは11月8日、同社が1990年代から有価証券投資などに係わる損失計上を行っていたこと、問題視されていた一連の買収資金がその当該損失の先送りに利用されていたと公表した。本件に関与した理由で森久志 副社長を解任。山田秀雄 常勤監査役は辞意を表明した。

photo 高山修一 オリンパス社長

 会見で高山修一社長は、英医療機器メーカーGyrus買収の際してアドバイザーへ支払った報酬や優先株の資金、ならびにアルティス、NEWS CHEF、ヒューマラボの買収資金も複数ファンドを通すなどの手法により含み損の解消に利用されていたと説明した。高山社長は就任後、一貫して不正はなかったと主張していたが「昨日夕刻に森副社長より報告を受け、初めて事態を知った」と公表に至る経緯を説明した。

 同社では現在、第三者委員会を設置し過去の買収案件を含めて不適切な点があったかどうかの調査に乗り出しており、「いつから」「どれくらいの金額規模で」「どんな人物が関与していたか」など詳細については委員会の調査報告を待つとした。ただ、金額については「かなりの量になるだろう」との認識を示した。

 粉飾決済に当たるか、そして上場廃止の可能性について指摘された高山社長は、「不適切な処理に当たると思っている。全力を挙げてそのよう(上場廃止)にならないよう務める」と述べるに留まった。また、ウッドフォード前社長の解任についてはあくまでも「本人の資質」「独断専行さ」にあったとし、解任を取り消す考えはないと述べた。

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