リコーのコンパクトデジカメ「CX」シリーズといえば、普及価格帯製品と位置づけられながら、10倍以上の高倍率ズームレンズやコンパクトなボディサイズで人気のシリーズ。最新作の「CX6」ではAF速度の高速化が図られたほか、絞り優先/シャッタースピード優先での撮影も可能となった。
実は前モデル「CX5」(レビュー)から撮像素子やレンズ、画像処理エンジンといった基本コンポーネントは変更されておらず、撮像素子は1/2.3型 有効1000万画素CMOSセンサー、レンズは35ミリ換算28〜300ミリの10.7倍ズームレンズ、画像処理エンジン「Smooth Imaging Engine IV」となっている。
常時被写体との距離を測定するパッシブ式AFと、コントラストAFを組み合わせたハイブリッドAFシステムもCX5に引き続き搭載されているが、鏡胴の動きを最適化し、アルゴリズムも見直したことでCX5では最速0.2秒だったAF合焦時間は0.1秒へと短縮されている。高速化しているとはいえ、0.1秒の高速化であり、実際に試用してみても、実のところCX5からの違いは感じられない。
ただ、「300ミリ相当でもAF合焦時間0.1秒」をうたうのはダテではなく、下のように離れた場所の水鳥を狙うような望遠撮影のシチュエーションでも、狙ったタイミングでの撮影を楽しめる。
CX5からの違いで気になるのが、モードダイヤルに設けられた絞り優先/シャッタースピード優先撮影モード。同社「GR」シリーズのようにハイアマチュアを対象とした製品ならばあって当然の撮影モードだが、フルオート撮影で使われることを前提としたクラスで、撮影モードダイヤルにこれらを備えるのは珍しいといえる。この2つの撮影モードは前述したようモードダイヤルへ設けられているが、それぞれは独立しておらず、「Fn」ボタンで切り替えながら使用するスタイルとなっている。
絞りについては2段階の切り替えとなるが、その値は焦点距離と連動して自動的に決定される。「開放」では文字通り利用できる絞り値の開放値(開放F値はF3.5-5.6)、「小絞り」は確認したところワイド端でF7.4、テレ端ではF15.4となった。2段階というのは虹彩絞りではなくフィルターで制御しているための制限だとは思うが、任意の絞り値を適用できないうえ、開放絞り値もF3.5なので大きなボケを得ることも難しい。使いどころの難しい撮影モードという感想だ。
シャッタースピードは1/2000秒から8秒まで、43段階という細かな切り替えが可能。噴水の水の動きを止める、夜間の道路で長時間露光をして軌跡を際だたせるなど、特徴ある写真を手軽に撮影できる。
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