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第147回 初詣と雰囲気の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2011年12月28日 10時07分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

除夜の鐘を聞きながら深夜の初詣を撮る

 ではやっと本題。

 たまたま東京で正月を迎えたとき、顔なじみのお店が大晦日の深夜もやってるよというので、飲みに行くついでに近所の神社へ立ち寄ってみたのである。そしたら初詣客がずらっと並んでてかがり火がたかれてて賑わっていていささかびっくり。

 というわけで、初詣がてらカメラを持っていってきた。

 何しろ暗い。暗いので明るい単焦点レンズをつけていくのが吉。さすがに初詣の神社でストロボはたきたくないし、雰囲気も出ないから。となると、絞り開放がF3.5程度の標準ズームと、F1.8の単焦点では全然違うし、F1.8の方が背景もぼけて雰囲気を出しやすいのだ。

 零時ちょっと前に到着すると、すでに人の列がずらりでけっこう賑やか。

 暗いけれども、昼間のように全体を明るく撮ろう、なんて思わなければいい。明るいレンズならISO1600まであげて1/50秒とかで十分撮れる。

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 こんな感じ。電球とそれに照らされてシルエットになってる参拝客や鳥居がいい感じになるし、この暗さがいい。無理に明るく撮ろうとするとブレやすいしノイズも出やすいし大晦日の風情が失われちゃう。

 もう少し中に入るとかがり火が。こういうのって神社らしくていい。

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 かがり火を見ていると、火の粉がパチパチと飛んでる。この火の粉が舞ってる感じがまたいいのだ。というわけで、どうしようかなと考えたあげく、F8に絞り込み、シャッタースピードを落として撮影。ISO1600で1/13秒。

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 F8に絞ったことで白熱電球の光芒ができ、シャッタースピードを遅くしたことで火の粉の軌跡もそれなりに写り、ちょっとは雰囲気も出たかなと。

 実は手ブレ補正のないレンズをつけてたので手ブレが不安だったのだけれども、手近な木に持たれて身体を固定して、ぶれないように息を止めて何枚も撮ったのである。それでよし。

 いよいよ参拝間近。

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 1枚目はオートホワイトバランス、2枚目はホワイトバランスを太陽光に固定して。やっぱこういうときは太陽光に固定して、炎や白熱灯に照らされたオレンジ色がいい感じってものだ。小さな住宅街の神社とはいえ、それなりに歴史がある村だと舞台でおはやしが奉納されたり、甘酒やその場でついた餅が振る舞われたりと、深夜でも賑やか。

photo これもあえて太陽光モードで
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 いくらあかりがあるとはいえ、かなり暗いのでシャッタースピードも上げられない。だから杵が静止した瞬間を狙って見たのだけど、振り下ろすときのぶれた感じも悪くないですな。

 で、都会の神社はこのように小さくても明るいのだが、田舎のでかい神社になると広い上に暗い。このときはズームレンズしか持ってなかった(ただし手ブレ補正はついてる)ので大変でありました。

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 見ての通り、提灯にはいったろうそく(だから白熱灯より暗い)が階段沿いにあるだけ。星がよく見えること。

 提灯はいい感じにきれい。提灯が白飛びせずその雰囲気がわかるよう露出補正はマイナス目で。大きな三脚を持って初詣でも無粋だなと思ったら、ポケットに入るミニ三脚でも持っていくといい。ミニ三脚を地面において振り返ってみた。

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 階段を下りて、門があって、その向こうに街があるという古社らしい長めを楽しめる。これはシャッタースピード8秒で撮ったもの。左上に街灯がひとつ消えてる。たぶんわざとつけてないんだと思う。だからこういう雰囲気を味わえる。ただし、スローシャッターで撮ってると、撮影を待ってる間が寒い。それが難点。

 振り返ると拝殿。

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 これもミニ三脚につけたままローアングルで撮ってみた。シャッタースピードは1秒ちょっと。

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