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「NEX-5N」第4回――マクロだけではもったいない「E30mm F3.5 Macro」長期試用リポート

» 2012年01月06日 20時35分 公開
[ITmedia]

 他に比べるとEマウント交換レンズのバリエーションが乏しいことは否定できない事実であるが、徐々にその状態にも変化が訪れつつある。初のサードバーティー製レンズとしてタムロン「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC」(Model B011)が販売開始され、現在、入手可能なEマウントレンズは8本となった。

 その内訳はズームレンズがタムロン「18-200mm F/3.5-6.3 Di III VC」、ソニー「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」「E55-210mm F4.5-6.3 OSS」「E18-200mm F3.5-6.3 OSS」の4本、単焦点レンズが「Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA」「E50mm F1.8 OSS」「E16mm F2.8」の3本、マクロレンズが「E30mm F3.5 Macro」の1本。今回は唯一のマクロレンズ「E30mm F3.5 Macro」を試用した。

photo 「E30mm F3.5 Macro」とNEX-5Nの組み合わせ。実売2万5000円前後と手ごろな価格で販売されているレンズだが、アルミ製鏡胴でチープさは感じない
photo 近接撮影時のレンズガードも兼ねているのだろうか、おもしろい形のレンズフードが付属する

 「マクロレンズ」と言ってしまうと近づいて撮影できるレンズというイメージを持たれる人もいるかもしれないが、正確には装着時、「撮像素子に対して等倍、あるいは等倍に近いサイズで被写体を写せ、かつ、被写体に接近して撮影できる」――乱暴な言い方をすれば「被写体を大きく写す」ことのできるレンズを指す。

 E30mm F3.5 Macroは最大撮影倍率1.0倍(つまり撮像素子と同じ大きさに被写体を写せる)マクロレンズであり、NEXシリーズの撮像素子サイズ(23.5×15.6ミリ)と同サイズの被写体を画面いっぱいの大きさで撮影できる。具体的な例としては、100円玉(直径22.6ミリ)を画面一杯に撮影できるといえばどのような撮影が可能かイメージがつかみやすいだろう。

photo 「E30mm F3.5 Macro」を装着したNEXならば、100円玉をここまで大きく撮影できる

 最短撮影距離(撮像素子面から被写体までの最短距離)は95ミリ。レンズ先端からでは約25ミリまで被写体に接近できるが、ここまで近づくとレンズの陰が被写体にかかってしまうことがあったり撮影時には何かと不自由になることもある。ただ、他のEマウントレンズでは映せない世界がそこにあることも確かである。

photo 等倍付近まで近寄って撮影
photo 所有者の多いであろう「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」(最短撮影距離250ミリ)の望遠端ではここまでが限界
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 撮影距離が短くなるほど被写界深度は浅くなるので、等倍での接写では厳密なピント合わせが必要になる。また、その際に、フォーカスはAF任せにせず、DMFとピーキング機能を積極的に使い、可能な限り三脚も用意したい。AFについては「スムーズで静かなAF 駆動を実現するレンズ内モーターを内蔵」とあるが、「E16mm F2.8」や「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」に比べるとピントの移動量が多いためか、絞るほどにAF動作音が大きくなる傾向にあるようだ。

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 APS-Cサイズの撮像素子を搭載するNEXシリーズに、E30mm F3.5 Macroを装着した場合の焦点距離は35ミリ換算約45ミリ。開放F値はF3.5なので明るいレンズとは言い難いが、マクロレンズはマクロ専用ではなくマクロ撮影に「強い」レンズであり、45ミリ相当という焦点距離を生かしたスナップ撮影用レンズとしても活躍する。超接近しての等倍撮影は最初の内は確かにおもしろいのだが、構図のバリエーションは乏しくなるので、“近寄る自由度”の高いレンズとして使うと良さそうである。

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手軽に持ち歩けるEマウント専用の等倍マクロレンズ。価格は2万5200円(税込/予定)


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