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ローパスフィルターレスのレンズ交換式「FUJIFILM X-Pro1」 詳報2012 International CES(1/2 ページ)

» 2012年01月10日 21時34分 公開
[小山安博,ITmedia]

 富士フイルムは1月9日(現地時間)、2012 International CES開幕前日のプレスデーにて、レンズ交換式カメラ「FUJIFILM X-Pro1」を発表した。米国では2月の販売開始が予定されており、価格は本体のみで1700ドル、当初3本用意されるレンズはすべて650ドルとなっている。日本を含む世界各国で、2月下旬以降には販売を開始する予定だ。

photophoto FUJIFILM X-Pro1を持つ同社電子映像事業部営業部部長の松本雅岳氏。プレミアムなレンズ交換式カメラをアピールする

 X-Pro1は、同社プレミアムシリーズである「X」シリーズの4機種目。1機種目のX100、2機種目のX10に続く、クラシカルなフィルムカメラやレンジファインダーを思わせるデザインを採用し、高級感のある仕上がりとなっている。

photo Xシリーズの4機種目となるX-Pro1。高倍率ズーム機「X-S1」を除けば、「X100」「X10」に通じるクラシカルなデザインを採用している

 Xシリーズとしては初めてのレンズ交換式で、撮像素子はAPS-Cサイズ有効1600万画素の「X-Trans CMOSセンサー」を採用する。大きな特徴はローパスフィルターを設けない、ローパスフィルターレス構造。

 通常、モアレや偽色といった画質劣化を取り除くために用いられるローパスフィルターだが、その代わりに解像感が犠牲になるというマイナス面もある。X-Transでは、センサー自体がモアレや偽色の発生を抑えるため、ローパスフィルターが不要になり、これによって高い解像感を実現したという。

photophoto 通常のセンサーにはセンサーの前面にローパスフィルターがあり、画質が劣化することがある。X-Pro1では、ローパスフィルターによる画質の劣化がない

 また、多くの撮像素子はカラーフィルターとしてRGGBという4つのピクセルで1つの色を再現するベイヤー配列の構造をしているが、X-Transは6×6の36ピクセルで1まとまりとなる方式を採用。これによってモアレと偽色の発生が抑えられるという。さらには処理エンジン「EXRプロセッサーPro」を組み合わせることで、APS-Cサイズセンサーを搭載しながらも高速動作を実現したという。

photophoto 通常の2×2よりも多い6×6の配列を採用。この撮像素子と高速処理可能な画像エンジンなどのプロセッサーとの組み合わせで、高画質・低ノイズ・高速動作を可能にしている

 レンズマウントは「独自のXマウント」。レンズマウントが薄く、フランジバックやバックフォーカスは短く、シャッタータイムラグも高速だという。フランジバックは17.7ミリ。そしてレンズは「フジノンXFレンズ」を用意する。「XF 18mmF2 R」「XF 35mmF1.4 R」「XF 60mmF2.4 R Macro」の3本からスタートする。いずれもコンパクトながら高級感のある外観で、高画質で美しいボケを実現しているという。

photophoto レンズマウントはXマウント。フランジバックが短く、レンズの小型化などのメリットがある
photophoto レンズ接点から転送されるデータ。対応するXFレンズの特徴

さらに2012年中に超広角レンズとズームレンズを開発。13年にはさらに高級単焦点とズームレンズを用意する計画だ。

photophoto まずは3本のレンズを用意し、さらにレンズを拡充していく
photophoto X-Pro1の構造。このセンサーと画像処理プロセッサー、レンズの組み合わせにより、「フルサイズ一眼に匹敵する画質」(松本氏)を可能にしたとしている
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