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ミラーレスと呼ばないで欲しい――「FUJIFILM X-Pro1」とは何か2012 International CES(2/4 ページ)

» 2012年01月13日 22時01分 公開
[小山安博,ITmedia]

 新マウント「Xマウント」とそれに最適な「フジノン XFレンズ」も開発した。当初は「XF18mm F2R」「XF35mm F1.4R」「XF60mm F2.4R Macro」と3本の単焦点レンズを用意する(35ミリ換算での焦点距離はそれぞれ27ミリ/53ミリ/91ミリ相当)。広角からポートレートまで幅広い被写体をカバーし、「まずは単焦点でレンズの高画質を楽しんでもらいたい」考えだ。

photophoto 用意されている3本のレンズとそれぞれの構成

 これらレンズは後玉が大きくなっており、後玉とセンサーまでの距離であるバックフォーカスが短い。これによってレンズを通した光の情報をダイレクトにセンサーに渡せ、多くの光がセンサーに取り込まれるようにしたという。絞り羽根はXF60mmのみ9枚で、あとは7枚。モールド羽根絞りを使い、内面反射を少なくしたほか、カーブも微妙に変えて、円形になるように羽根の形も工夫したそうだ。

photophoto 絞り羽根はモールド形状で、カーブを1枚1枚変えている(写真=左)、1/3刻みの絞りリングも、1絞りのクリック感と1/3絞りのクリック感を変え、感覚で絞りの強弱が分かるようにするなど、操作性も考慮されている(写真=右)

 この3本に加え、超広角の「14mm」、ズームレンズの「18-72mm F4.0 IS」を今年中に出す予定。14mmレンズはマニュアルフォーカスを重視し、距離指標を搭載しているという。さらに2013年には、「28mm F2.8」のパンケーキレンズ、「23mm F2.0」の単焦点レンズ、F4通しの望遠ズームレンズ「70-200mm F4.0 IS」、広角ズームの「12-24mm F4.0 IS」も投入し、今後2年間で9本のレンズラインアップに拡充する。ただし、焦点距離とF値は、今後市場の声を聞きながら決定するという。

photo レンズロードマップ

 Xマウントは短いバックフォーカスを実現するためのマウントで、厚みを減らし、後玉がマウント内に入り込むような構造となっている。フランジバックは17.7ミリと短く、ボディの薄型化、マウントアダプタの作成、レンズの制作にも有利な仕様となっている。マウントアダプタに関しては、ライカMマウントアダプタを自社開発する予定だが、マウントの仕様に関しては公開しない方針で、「リクエストがあれば考えていきたい」とのこと。また、XマウントはAPS-Cサイズセンサー用のマウントで、フルサイズセンサーの搭載はできないそうだ。

photophoto Xマウントの特徴。フランジバックは17.7ミリでバックフォーカスも短く、電子接点の機能も充実させている
photophoto 後ろ玉がマウント内に入り込む構造のため、バックフォーカスが短くなっている(写真=左)、マウントアダプタ経由でライカMマウントのレンズが利用可能になる(写真=右)

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