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有効2430万画素の描写力を検証――ソニー「NEX-7」を試す(前編)(2/3 ページ)

» 2012年02月03日 12時45分 公開
[永山昌克,ITmedia]

高感度性能と発色傾向をチェックする

 感度はISO100〜16000に対応。有効1610万画素のCOMSセンサーを搭載した下位モデル「NEX-5N」に比べた場合、最高感度は約2/3段低くなっています。この点は高画素化のデメリットでしょう。

 画質はISO1600を超えるあたりから、細部の描写性能の低下が気になりはじめます。JPEGファイルの場合、ノイズリダクション処理によってノイズそのものは目立たないように低減されていますが、解像感が徐々に悪くなります。どの程度までの高感度を許容できるかは使用目的によって異なりますが、個人的にはISO3200以上は緊急用で、できればISO100〜1600の範囲で使いたいと感じます。

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photophotophoto ISO感度による写りの違い。左上から順にISO100/200/400/800/1600/3200/6400/12800/16000で撮影。高感度ノイズリダクションは「標準」を選択。撮影モード:絞り優先AE(F10) WB:AUTO クリエイティブスタイル:スタンダード レンズ:「E18-55mm F3.5-5.6 OSS」

 感度を「AUTO」にセットした場合、シーンの明るさに応じてISO100〜1600の範囲で自動調整が働きます。自動アップする際のシャッター速度や感度の上限をカスタマイズできない点は残念です。また、AUTO以外の感度の切り替えは1EVステップとなり、1/3ステップでの調整ができない点も最上位モデルとしては少々不満が残ります。

 ノイズリダクションについては「強/標準/弱」の3段階から選べます。OFFには設定できませんが、RAWで撮影して現像の際にノイズリダクションをOFFにする、またはソフト上で微調整を行えば、より解像感重視の仕上がりを得ることも可能です。

photo 感度ISO800で撮影したJPEG画像。高感度ノイズリダクションは「標準」を選択
photo 同条件で撮影したRAW画像をLightroomで現像。ノイズ軽減を適用していないため、ざらつきが見られますが、細部はより精細な描写になっています

 操作面で気になったのは、撮影後のオートレビューをONにして、感度ISO200以上で撮影すると、撮影直後に「ノイズリダクション実行中」の文字が表示されることです。一瞬とはいえ、いちいち文字が現れるのはうるさく感じます。

 そのほかの補正機能としては、長秒時ノイズリダクションや、レンズの周辺光量/倍率色収差/歪曲収差の各補正に対応します。発色傾向の調整機能としては「クリエイティブスタイル」を搭載。従来のNEXシリーズの6種類からさらに増え、α77と同じく13種類のスタイルを選択できます。

 選択肢が多いため、どれを選ぶか迷いがちですが、クリエイティブスタイルは後述する「トライダイヤルナビ」によって素早く選択ができます。好みや狙いに応じて切り替えながら撮るのがお勧めです。あるいはRAWで撮影し、付属ソフト「Image Data Converter」で現像する際に好きなクリエイティブスタイルに変更するのもいいでしょう。

photo 「トライダイヤルナビ」によるクリエイティブスタイルの選択画面。13種類のスタイルを選べるほか、彩度/コントラスト/シャープネスの微調整ができます
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photophoto クリエイティブスタイルによる写りの違い。左上から順に、スタンダード/ビビット/ニュートラル/クリア/ディープ/ライト/ポートレイト/風景/夕景/夜景/紅葉/白黒/セピア

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