撮影モードは、プログラムAE、絞り優先AE、シャッタースピード優先、マニュアル露出の計4モードを利用できる。他のデジカメで一般的なシーンモードはない。動画については、1920×1080ピクセルのフルHD記録に対応。ただし、動画撮影時の露出やホワイトバランスはオートのみであり、あくまで付加機能のひとつという位置付けだ。
ユニークな撮影機能としては、2カットを重ねて記録する「多重露出」機能を搭載する。1カット目を撮影後、1カット目の半透明表示を見ながら2カット目を撮ることができる。そのほかには、露出や感度などのブラケティング機能、カメラを動かすだけでパノラマ画像を作成する「ぐるっとパノラマ」、最高で秒間6コマの連写、電子水準器などの機能を備える。
発色傾向を切り替えるための「フィルムシミュレーション」機能は10種類に対応。従来モデルでも採用されていた「Velvia」や「ASTIA」「PROVIA」といったモードのほか、新たに「PRO Neg.Std」と「PRO Neg.Hi」を新搭載している。
「PRO Neg.Std」では軟調でソフトな描写を、「PRO Neg.Hi」ではやや硬調で、メリハリ感のある表現を得られる。どちらもプロ用のカラーネガフィルムをベースにした発色傾向だ。ポートレートやスナップでの色の表現力をいっそう高められる。また、RAWモードで撮影した場合は、後からカメラ内現像の際に好きなフィルムシミュレーションに変更することも可能だ。
トータルとしての印象は、あらゆる点で他のミラーレスカメラとは一線を画する個性的なカメラだと思う。やや大柄で独特のボディデザインが好みに合うかどうか、「ハイブリッドマルチビューファインダー」に必要性を感じるかどうか、といった点が本モデルの評価の分かれ目になる。個人的には、デザインと操作性には少々抵抗を覚えるが、クリアな発色と精細なディテール表現力、高感度画質の美しさには大いに引かれる。今後さらにXFレンズが充実すれば、魅力的なシステムカメラのひとつになるだろう。
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