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未来からやってきた2012年型の快適全部入り――サイバーショット「DSC-TX300V」(1/4 ページ)

» 2012年02月24日 17時12分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 箱を開けると黒いプラスチックのケースにサイバーショット「DSC-TX300V」(以下 TX300V)は収まっていたのである。開けると中から秘密道具が出てきそうな、あるいは傷が付きやすいプレミアムな品がでてきそうな(まあ傷がつきやすいというのは間違ってはいない気がするが)。とにかくちょっと驚いた。

photophoto 「DSC-TX300V」のパッケージ。こんな黒いケースに一式がおさまっている。プレミアム感漂うパッケージだ(写真=左)、ケースを開くと、下にカメラ本体(その下にはクリーニングクロス)。上にクレードルとケーブル、ACアダプタ、さらにタッチペンやストラップが収められている(写真=右)

 箱から出てきたのは黒くて薄くて四角いカメラ。付属品も一緒におさめられている。最近のパッケージは簡素化一辺倒だったので、こういうのは新鮮だ。ではTX300Vは普段は箱にしまっておくような高級品なのか、というとこれはかなり違った。箱から出てきた黒いカメラは「未来」だったのである。大げさすぎるけど、いろんな意味で「ああ、イマドキのコンデジはこうあって欲しいよな」と思わせる楽チンなカメラだったのだ。

photo フロントパネルが特徴のTX300V。黒くてシンプルでフラットでつやつやだ

 とにかく面倒がない。昼でも夜でも深夜でもカメラが良きに計らってくれるからほとんどのシーンはオートで撮れるし、充電は楽だしパソコンへの転送も楽だし、GPSで撮影場所も記録してくれるし、撮ったその場でスマホにワイヤレスで転送できるし、ついでに防水である。

 使える新機能満載の2012年型全部入りコンデジだったのだ。ポイントがたくさんありすぎて、一番どうでもいいのが画素数が1800万画素になったことといっても過言じゃないくらいだ。

TX300Vのキモは徹底したワイヤレスにあり

 デジカメで一番面倒かつ、忘れやすいのが充電とパソコンへの転送。

 充電し忘れていて出かける直前に慌てたり、パソコンに写真を転送し忘れててメディアがいっぱいになったり、逆にカメラからメディアを取り出してカードリーダーに入れたままで、カメラにそれを戻し忘れたり。USBでつなごうと思ったらケーブルがどれかわかんなくなったり。そんなのわたしだけじゃないはず。

 その点、TX300Vは楽なのである。

 TX300Vにはマルチステーション(クレードル)が付属する。これをUSBケーブルでパソコンにつないでおく。準備はこれだけ。

photophoto

 TX300Vをマルチステーションに(方向をまちがえずに)置くだけで「非接触充電」がはじまるし、カメラ側の電源を入れると「TransferJetによるデータ転送」を行えるのだ。

 パソコン側からはカメラがストレージとして認識されるので、特に専用ソフトを用意しなくても写真を転送できる。使ってみるととにかく楽チンなのだ。TX300Vの記録メディアはmicroSDカード(あるいはメモリースティックマイクロ)でとても小さいのだが、これならメディアを抜き差しする際に紛失するということもなくなるだろう。転送速度は有線のUSB接続に比べると遅いけれど、手間のかからなさを考えれば気にならない。

 外出先で撮影するときは、無線LANが活躍する。撮った写真をその場で無線LANを通してスマートフォンに送れるのだ。準備はAndroidマーケットやAppStoreで専用アプリ「PlayMemories Mobile」を落としておくだけ。

 仕組みは簡単で、TX300Vが無線LANのアクセスポイントとなり、スマートフォン側からTX300Vにアクセスして写真を転送する流れになる。よって、スマートフォン側でちょっとした作業が必要になる。最初の1回はTX300Vの画面に表示されるパスワードをいれないといけない。これがちょっとめんどくさいだけだ。

photo 右のTX300Vから左のiPhone4Sヘ転送中。指定した写真がスマートフォンに表示されるので「コピー」すればよい。すべての画像やその日の画像を選んだときはサムネイル表示されるのでそこから写真を選ぶ。2Mサイズに縮小された写真が転送され、スマートフォン内に保存される(iPhoneならカメラロールに入る)。接続さえうまくいけばあとはシンプルで簡単

 もうひとつ、そのときスマートフォンの無線LANが他のアクセスポイントにつながってるときは、接続先を手動でTX300Vに切り替えてやる必要がある。最近はキャリアが用意したアクセスポイントに自動的につながるなんてことも増えてるのでここは要注意だ。この作業がもうちょっと簡単になるということはない。

 そこさえクリアすれば作業は簡単。カメラ側で無線LAN転送を実行し(このとき、1枚だけか、その日の写真全部か、カメラ内の画像全部かを選べる)、スマートフォン側で転送したい画像を選んで「コピー」をタップするだけ。転送される写真は2Mサイズに自動縮小される。あとはスマートフォン側で煮るなり焼くなりすればよい。

photophoto 再生画面で、左下の無線LAN転送ボタンを押すと、スマートフォンに無線LANで写真を転送できる(写真=左)、転送するときは、スマートフォンから画像の範囲を指定(写真=右)

 スマートフォンのカメラで直接撮るより手間はかかるけど、デジカメの方が高画質だったり光学ズームを持ってたりするわけで、ちょっとした時間を見つけてスマートフォンに転送して送ったり、ブログに掲載したりできるのは便利なのである。

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