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» 2012年03月07日 15時37分 UPDATE

高速化した中級フルサイズ機――キヤノン「EOS 5D Mark III」インプレッション (1/5)

フルサイズのCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフ機「EOS 5D Mark III」が3月下旬から発売になる。従来モデルから何が変わったのか。進化のポイントを中心にファーストインプレッションをお伝えしよう。

[永山昌克,ITmedia]

シャッターボタンの感触と振動を改善

 キヤノン「EOS 5D MarkIII」は、フルサイズのCMOSセンサーを搭載した同社のミドルクラス機だ。2008年に発売された「EOS 5D MarkII」をベースにしつつ、機能と操作性、画質を全面的にブラッシュアップしている。しばらくの間は従来機EOS 5D MarkIIが併売されるため、EOS 5D MarkIIIは上位機という位置付けだが、実質的には後継機と考えていい。そのベータ機によるファーストインプレッションをお伝えしよう。

photo キヤノン「EOS 5D MarkIII」。レンズキットに付属する「EF24-105mm F4L IS USM」を装着した状態

 ボディは、適度な重みと堅牢性を感じるマグネシウム合金製。フルサイズの中級機としては標準的なサイズと重量であり、ハイエンドの「EOS-1D」シリーズに比べると一回り以上小さくて軽い。従来機EOS 5D MarkIIと比較した場合は、ボディの幅は変わらず、高さと奥行きはわずかにアップ。本体重量は50グラム増加した。体感的には、ボディのサイズと重量に従来機との大きな差はない。

 デザイン上の変更ポイントは、全体のシルエットがいっそう曲線的になったこと。ペンタプリズム部は角が取れ、ややふくらみが増したほか、レンズマウント部から側面にかけてのラインや、天面から背面にかけてのラインなどは、より緩やかなカーブを描くように変更されている。ホールド感は良好で、標準ズーム装着時のバランスは悪くない。丸っこいボディ形状はしっくりと手になじみ、ラバーグリップは指に吸い付くようにフィットする。

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photo 左は従来機「EOS 5D MarkII」、右は「EOS 5D MarkIII」

 液晶モニタは、ワイド3.2型/約104万画素のTFTを装備する。液晶画面のアスペクト比は撮影画像と同じ3:2となり、従来機よりも画像を一回り大きく表示可能になった。視認性は十分なレベル。液晶の大型化にともなって、背面の右手側のスペースがやや狭くなったが、操作が窮屈になった印象は受けない。

 ファインダーは、視野率約100%で約0.71倍のペンタプリズムを新搭載する。従来の視野率約98%でも大きな不都合は感じないものの、厳密なフレーミングで撮る際はやはり視野率100%は心強い。新たに「インテリジェントビューファインダー」に対応し、AF測距点やグリッドなどをファインダー上に透過表示できるようになった点も便利だ。

photophotophoto 左は従来機「EOS 5D MarkII」、右は「EOS 5D MarkIII」

 個人的に最もうれしいのは、シャッターボタンを押した際のフィーリングが、従来機よりも快適になったこと。具体的には、撮影直後のシャッターチャージのレスポンスが向上したことが大きい。また、従来は深めだったシャッターボタンを押し込む際のストロークは、多少だが改善された印象を受ける。シャッター音については少々濁っていて、あまり高級な響きには感じないが、やや静音化したこととミラーショックが小さくなったことはありがたい。

photo 電源は従来機と同じリチウムイオン充電池「LP-E6」。CIPA準拠の撮影可能枚数は、ファインダー撮影で約950枚
photo 記録メディアスロットはCFカードとSDXC/SDHCメモリーカードのデュアルスロットを採用。自動切り替えや、振り分け、同一書き込みが行える
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