最後に動画撮影機能にも触れたい。
コンパクトデジカメでもフルハイビジョンサイズでの録画は当たり前になっているが、本製品はAVCHD形式で1080/60pのプログレッシブ映像をGPSの位置情報つきで撮影でき、しかも、最もデータ量の大きなGPH(AVCHD 1080/60p、28Mbps、GPSデータつき)でも録画開始/停止、ズーム操作などにもたつきがほとんどない。「ジオラマ」など一部の効果を適用した動画については撮影終了後のカード書き込みにやや時間を必要とするが、これは仕方ない気がする。
AVCHDに加えてMP4記録も可能で、MP4でも1920×1080ピクセルを選択できる。ビットレートは最高20Mbpsとなるが、MP4を選択する目的を考えると十分だろう。マイクは小さいが、ステレオマイクであり、風音低減やズームノイズキャンセルといった機能の搭載もあって、思った以上にクリアな音が録音できる。もちろんおまかせiAによる被写体認識も機能するので、気軽に動画を撮っていこうという気分にさせられる。
光学20倍ズームレンズという超高倍率の世界は、スマートフォンや手ごろなミラーレスタイプでは味わえないもので、これだけでもレンズ一体型のコンパクトデジカメの面目躍如といったところだが、TZ30は動画撮影を含めた動作がキビキビしており、利用時にストレスを感じさせないのがすばらしい。
ひとつだけ注文を付けるとすれば、おまかせiAの状態から「クリエイティブコントロール」が使えるとうれしい。おまかせiAからはクイックメニューで「カラーモード」を呼び出すとHappy/白黒/セピアの3パターンを適用できるのだが、効果の豊富さや派手さではやっぱりクリエイティブコントロールの方が上。おまかせiAが良くできているだけに、基本的にモードダイヤルはおまかせiAで固定しておき、「ここはトイフォト」など感じたとき、クイックメニューや画面タッチで効果を適用できるほうが、スムーズだと思う。
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