ITmedia NEWS >

有効3630万画素のフルサイズ機――ニコン「D800」インプレッション(2/4 ページ)

» 2012年03月19日 18時06分 公開
[永山昌克,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

HDRモードや微速度撮影機能を搭載

 各種の操作ボタンについて、基本部分は変わらないが、いくつかの変更点が見られる。まずライブビューは、従来はレリーズモードダイヤルからの選択だったが、D800では背面の専用ボタンによって素早く起動可能になった。従来はレバー操作だったフォーカスモードは、ボタン+コマンドダイヤルの操作に変更された。また、AEブラケティングやピクチャーコントロールについても、それぞれ専用ボタンでの呼び出しが可能になった。

 これらの変更によって下位モデルD7000とほぼ共通の操作系になったといえる。同社のミドルクラス以上の製品ユーザーなら、使用説明書を読まなくても基本操作はすぐに把握できるだろう。

photo 左上のレリーズモードダイヤルでは、連写のほか、静音撮影やセルフタイマー撮影、ミラーアップ撮影を選択できる
photo 天面には、ガイドナンバー12のポップアップ式ストロボを内蔵。コマンダーモードでは、オプションの外部ストロボをワイヤレス発光できる

 新機能としては、露出が異なる2カットを合成して広階調の画像を生成する「HDR」モードや、一定間隔で連続撮影した静止画をつないで動画として記録する「微速度撮影」を搭載する。D700にはなかった動画モードは、最大で1920×1080/30pのフルHD記録に対応する。動画撮影時は、撮像範囲をFXとDXの2つのサイズから選択できるほか、背面モニタと外部モニタとの同時表示や、撮影中のインデックスマーキングなども可能になった。

photophoto HDR(ハイダイナミックレンジ)モードの設定画面(写真=左)、微速度撮影の設定画面(写真=右)

 AFは「アドバンストマルチCAM3500FXオートフォーカスセンサーモジュール」による51点AFシステムを採用する。51点のうち15点がクロスタイプのセンサーとなり、11点はレンズの絞り値がF8でも作動する。実際の使用では、多少薄暗いシーンでもきびきびと合焦し、動きのある被写体に対してもしっかりと追従するAF性能の高さを確認できた。

 シャッター音は、かん高くやや大きめの音だ。従来機に比べても、レリーズ時の音とミラーショックは多少大きくなった印象を受ける。振動によるカメラブレには十分注意して撮影するようにしたい。

 連写は、撮像範囲がFXフォーマットの場合で秒間約4コマ、DXフォーマットで秒間約5コマに対応する。オプションのマルチパワーバッテリーパック「MB-D12」を装着した場合は、DXフォーマットで秒間約6コマ/秒も可能になる。連続撮影可能コマ数は、RAWモードで約16〜25コマ(RAWのビット数や圧縮、使用カードによって異なる)。AFやシャッターのレスポンスが軽快なので、ついつい撮影枚数が増えがちだが、バッファメモリがいっぱいになると書き込みにはそれなりに待たされる。RAWを多用するなら、できるだけ高速な記録メディアを用意したい。

photophotophoto 動画の画像サイズ/フレームレートの設定画面(写真=左)、オートフォーカスの動作は、自分の撮影スタイルに応じて細かくカスタマイズできる(写真=中)、ファンクションボタンやプレビューボタンの割り当て機能もカスタマイズができる(写真=右)
photo 側面の端子カバー内には、外部マイク端子のほか、HDMI端子、USB3.0端子、ヘッドフォン端子を装備する

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.