3月3週〜4週にかけてという、春行楽需要駆け込み時期のランキング。デジタル一眼・コンパクトデジカメともに新顔の登場はなく、売れ筋がより鮮明になっている。
ランキングの1位はデジタル一眼がキヤノン「EOS Kiss X5 ダブルズームキット」、コンパクトデジカメは同じくキヤノンの「IXY 600F」となっており先週から変わらず。この2機種は長くランキングのトップを維持しており、人気の持続している様子がうかがえる。
前述したようランクイン機種の顔ぶれに変化はないが、デジタル一眼ランキングではソニー「NEX-7(レンズキット)」の人気ぶりが目を引く。NEX-7 レンズキットは市場価格でも10万円を切るところまで下がっておらず、本ランキング登場機種のなかでは高額な部類に入る。ソニーの人気ミラーレス「NEXシリーズ」の最上位機種と言うことで人気を博すのは理解できるが、比較的高価なだけにここまで売れ筋として長くランクインするのはちょっと予想外だ。
10万円クラスの高級ミラーレスとしては、3月末に販売開始されたオリンパス「OM-D E-M5」(ファーストインプレッション オリンパス「OLYMPUS OM-D E-M5」 )の売れ行きも気になるところ。予約者へのデリバリーが当初の期日より遅れる可能性が発生したため、発売記念キャンペーンが期間延長されるなどオーダーは好調のようで、次回のランキング(集計期間3月26日〜4月1日)には顔を見せる可能性が高い。
こうした現象を見ていて感じるのが、「ミラーレス」という製品ジャンルの成熟だ。初期はデジタル一眼レフに対するサブセット的なニュアンスも強かったが、徐々に市民権を獲得し、いまでは一口にミラーレスといっても価格を抑えたエントリーモデルから、NEX-7やOM-Dのような写真愛好家の要望に応える高級機まで多くのモデルが各社より用意されるまでに至り、高級機にも販売ランキングに反映されるほどの支持が集まるようになっている。
ここ1年ほどの新製品は「ミラーレスの手軽さ」を前面に押し出したモデルが多かったのは事実だが、NEX-7のヒットやまだ実売データは出ていないもののOM-Dの好調を感じさせる動向を見ていると、現在、「高級ミラーレス」の製品を用意していない、あるいは既存機種が登場より時間が経過しているメーカーからも、今夏から今冬にかけて新製品が投入されるのではないかと期待してしまう。
いまだこのジャンルの参入していないキヤノンの動向も含め、2012年もまだまだミラーレスを巡る環境には変化が多そうだ。
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