「OLYMPUS OM-D E-M5」だと長いし「OM-D」だとシリーズ名だから第2弾とか出たら呼称に困るし、「E-M5」だと「OM」っぽくないし、もういっそのこと通称「OM-5」にしちゃおうよ、なんて思いつつ、2012年3月31日、3日前にいつも使ってるカメラ店に電話したら「今なら初日にお渡しできます」といわれて予約したカメラを受け取りにいったわけである。
シルバーボディのOM-D。わたしの中でOMといえばやはり、「OM-1」「OM-2」であり、どうしてもシルバーの方が「OMっぽい」と思っちゃうのである。原稿の中では「OM-D」で行きます。まだ1台しか出てないからそれで間違うことはないだろうということで。
OM-Dの面白さはふたつある。
ひとつはボディのデザイン。実物は写真から感じるよりひとまわり小さい。そして薄い。その上けっこう軽い。本体のみで373グラム。「E-P3」が321グラムなので、EVFがつきモニタがチルト式になったにも関わらず52グラムしか変わらない。
OM時代のフィルム一眼レフはコンパクトで薄かった。今の一眼レフがみな分厚いのは、ミラーボックスに加えて撮像素子関連の回路やモニタが追加されているから。OM-Dはミラーレス故にミラーボックス分のスペースが不要な分、チルト式モニタを加えても往年に迫る薄さを実現できたのだ。
なぜ自由なデザインが可能なミラーレス一眼でわざわざフィルム時代のカメラを摸した形にしなきゃいけないのか、という人もいるけれども、まあ逆に、自由なデザインが可能だからこういうのもアリなわけで、形だけ摸して中身がしょぼければ「オモチャだね」で終わるんだけど、OM-Dはクラシックな意匠を残しつつ、デジタルならではの機能や操作性をうまく収めている。そこがいい。
ただ、丸っこいミラーレス一眼代表ともいえるパナソニック「DMC-G3」と持ち比べてみると、その感触の違いにびっくりする。G3は全体が丸っこいので、グリップしたとき手当たりが非常に優しいのだが、OM-Dは見ての通りゴツッとしてるのでグリップすると角が手に当たる。優しくない。でもすぐ慣れる。そういうとこも含めてOM-Dなんだなと思えばいいんじゃないかと思う。
ふたつめの面白さはその「全部入り感」である。たぶん、ミラーレス一眼で一番の全部入りで高機能なのだ。
その全部入りっぷりを列挙してみる。
という具合。
マイクロフォーサーズ陣営はとうとうエントリー向けのシンプルかつ低価格なモデルから、全部入りで頑丈なハイエンドモデルまできれいに揃えるに至ったのである。すごいよね。
で、早速、購入翌日にこいつを抱えて撮影に行ってきたわけだが、細かい話は次回ということで、ざっくりと雑感を。なお今回の作例は全部、アスペクト比3:2で撮ってます。違和感を覚えた方、申し訳ない。
EVF+チルト式モニタという組み合わせは最高。普段はEVFで、アングルを変えたいときは背面のモニタでと使い分けしやすい。シャッターの感触もよし。
バリアングル式モニタは縦位置でのローアングルや自分撮りにも対応するというメリットはあるけど、横位置で使うときはいったんディスプレイを開いて回すというツーアクション必要だし、横位置ローアングル時は光軸とモニタが少しずれるので微妙に構えづらい。チルト式だとEVFから目を離すといつでもモニタに切り替わるので瞬時に対応できる。その点で個人的にはチルト式の方が好み。
ただOM-Dのチルト方式だと、モニタをめいっぱい上に開いたとき、EVFのでっぱりががモニタの一部を隠しちゃう。ちょっと残念。
AFは確かに速い。静かにすすっと合う。これはいい。特に同等距離にあるものを続けて撮るときは、ほぼ一瞬。無限遠の後に至近距離となると少しかかるけれども、それでもスーッという感じ。
ただ、ややこしい構図だと狙ったところになかなかあってくれないことがある。これはコントラスト検出AFを使うミラーレス一眼共通の悩み。
高感度時の画質が上がったのもウリのひとつ。ISOオート時はISO感度の上限を最高ISO25600まで設定できるので、上限を高めにしておくと、暗い室内では遠慮なく感度を上げてくれるのだ。それが次の1枚。
細かいチェックはもうちょっと撮りだめてからかな。
次回は撮影機能や操作系をチェックしつつ、使いやすいようカスタマイズしてみる。
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