テーブルの食事やアクセサリーなどの小物を大きく撮りたい時に重要な要素となるのが、レンズの「最短撮影距離」。カタログの仕様表では「最短0.25メートル」や「0.3メートル」と記載されていますがこれで実際に写してみると、どれだけの違いがあるのでしょうか。
それぞれのレンズの広角端と望遠端で、被写体を大きく撮影できるかを撮り比べしてみました。条件として、オートフォーカスが一番近い位置で合焦した時に撮影しています。実際には多少の誤差がありますので、あくまで一例としてご覧下さい。
まずは広角端です。
広角端で一番被写体を大きく写せたのはNikon 1 J1、次いでDMC-GF5となりました。E-PL3、NEX-F3、PENTAX Qは、ほぼ横並びといって良いでしょう。
次いで望遠端です。
望遠端でも一番大きく写せたのはNikon 1 J1となり、次いでPENTAX Qが被写体を大きく写し出すことができました。NEX-F3、E-PL3は横並び、DMC-GF5は一回り小さく写りました。
今回紹介するレンズとの組み合わせでは、広角端でも望遠端でも自由に寄って撮影できるのは、Nikon 1 J1という結果となりました。次にバランスが良かったのがE-PL3で、PENTAX Qは望遠端での寄りが得意と言うことが分かりました。
とはいえ、画素数が多いカメラなら写り込んだ余計な部分をトリミングしても、プリントに耐えうる余裕が十分ありますので、最短撮影距離は工夫次第とも言えます。
同じ撮影位置からキットレンズの望遠端を使用して、ボケに違いがあらわれるのかをチェックしてみました。撮影条件は、ズームレンズを望遠端にし絞りをF5.6にそろえています(ただし、J1だけは設定ミスで絞りがF8となってしまっています)。
この比較では、センサーサイズが一番大きいNEX-F3のボケが一番大きいことが分かります。手すりの部分や影がボケて輪郭がふわっと柔らかくなっています。この結果と対照的なのがPENTAX Qで、手すりの輪郭がハッキリと写っているほか、地面の様子まで分かるほど深い被写界深度となっています。
DMC-GF5とE-PL3は露出プログラムの違いがあり明るさに差がでていますが、同じマイクロフォーサーズ規格を採用するためにレンズの焦点距離とセンサーサイズが同じで、ボケの大きさはほぼ同じ結果となりました。これら3機種よりもさらにセンサーサイズの小さいNikon 1 J1ですが、一段絞られたF8にも関わらずボケの大きさはマイクロフォーサーズ機に近いことがわかります。
レンズの大きさ・重さや手ブレ補正の有無などは、カタログで読み取ることができますが、全長の変化であったり総重量、被写体への寄りなどはなかなかイメージできません。今回実際に比較することで、それぞれの見た目だけではなく、光学機器としての性能が読み取れるようになったのではないでしょうか。
次回は、各モデルのフルオート撮影機能の特徴をチェックしてみたいと思います。
(モデル:佐藤里穂 オスカープロモーション)
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