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» 2012年07月27日 13時22分 UPDATE

長期試用リポート:「EOS Kiss X6i」第3回――新撮影機能を試す。そして「EOS M」の感想

今回はEOS Kiss X6iの「連写+合成」撮影やデジタルフィルター系機能をチェックしてみよう。そして発表されたミラーレス一眼「EOS M」とデジタル一眼レフの「EOS Kiss X6i」では、どちらを選ぶべきだろうか。

[荻窪圭,ITmedia]

 さて「EOS Kiss X6i」の試用リポート、第3回である。これまでにもKiss X6iはコンデジやミラーレス一眼をかなり意識してるって話を書いてきたんだけれど、3回目もそこから。

photo 「EOS Kiss X6i」

 なんかね、エントリー向け一眼レフとしてはかなり完成されてて、エントリー向けのモデルでこれだけ快適に使えれば特にツッコむとこはなかろう、という感じがしちゃって。このクラスで大きなコスト増にならずに強化できるところといえば、どうしてもデジタル系の機能ということになる。

 で、Kiss X6iの新機能もまさにそうで、コンデジやミラーレス一眼で一般的になってきた、「連写+合成」系の機能が追加された。具体的には、4枚連写して合成することでノイズが少ない夜景写真を撮る「手持ち夜景」と、露出を変えた3枚を連写して合成することでダイナミックレンジの広い写真を作る「HDR」だ。

 ただこうした「連写+合成」機能は、一眼レフにとってちょっとハードルが高い。手持ちで連写すると、当然1枚目と3枚目ではけっこうズレが出るものだが、一眼レフはミラーのアップダウンによる振動もある。では、Kiss X6iはこうした問題にどう対処したか。

 HDRの効果が出やすいシーンを撮ってみた。

photophoto 左が通常撮影、右が連写+合成によるHDR撮影

 HDRの方は暗部が大きく持ち上がってるのがよく分かる。もうひとつ、画角の違いに注目。同じ位置で同じ18mmで撮っているのだが、HDRの方が画角が狭い。連写時の構図のずれに対処するために周辺部を捨ててるんだろう。

 もう1枚。これも強烈な逆光ぎみの構図で。

photo

 歩いてる人のゴーストが出ちゃうのはしょうがないとして、よく見るとどちらもディテールが少しボケている感じが残念。一足早くHDR機能を手がけたカメラに比べるとちょっと甘いかな、という気はする。

photo ISO感度設定画面。HがISO25600相当となる

 次は手持ち夜景。連写+合成でどのくらい効果的なのか、ISO感度別作例のひとつとして撮ってみたのでどうぞ。ISO感度はISO12800までだが、拡張ISO感度としてISO25600まで用意されている。ISO感度は1段ずつで細かい変更はできない。


photophotophoto 左からISO800、ISO1600、ISO3200
photophoto 左からISO6400、ISO12800
photophoto 左からISO25600、ISO3200(手持ち夜景)

 手持ち夜景モードではHDR時と同様、画角がちょっと狭くなる。で、通常のISO3200と比べるとノイズは少ない。だいたいISO1600時と同じくらいなので1段分の効果はある。

再生モードでフィルタ遊び

 コンパクトデジタルカメラやミラーレスカメラで最近欠かせないのがデジタルフィルタ系の機能なのだが、X6iの撮影モードにその手の機能はない。でも再生時にクリエイティブフィルターをかけることができる。その中から、面白そうなところをいくつか。

photo ラフモノクローム
photo ジオラマ
photo ソフトフォーカス

 新しいフィルターは2つ。油絵風と水彩画風。

photophotophoto 通常撮影(写真=左)、油絵風(写真=中)、水彩画風(写真=右)

EOS MはKiss X6iの小型版みたいなカメラだった

 実は前回前々回の原稿でしつこくミラーレス機と比べてたのは、キヤノンからミラーレス一眼がそろそろ出るというウワサがあったからだったりする。そのミラーレス一眼がKiss X6iを脇においやるような製品だったらKiss X6iはどうなるだろう、と思いつつ書いてたのだ。

 そして発表されたのが「EOS M」。

photophoto 7月23日に発表された「EOS M」。レンズは左が標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」、右がパンケーキレンズ「EF-M22mm F2 STM」

 その中味はどうやら、良くも悪くもKiss X6iからミラーボックスや光学ファインダーといった「一眼レフ」部分を取り除いたものと言ってよさそうで、タッチパネルを使ったUIもハイブリッドCMOS AFによるAF動作も、ライブビュー時のKiss X6iそのものという印象だ。発売される9月までにチューンナップは進むだろうが、基本的なところは変わらないだろう。

 EOS Mはライブビュー専用機ではあるのだが、X6iのライブビュー機能と大きな違いはなく、X6iを隅に追いやるようなカメラではなかったように思える。もちろんミラーのあるKiss X6iよりずっと小さくて軽く、携帯性が高いのだけれども、そのかわりバリアングル液晶じゃないしフラッシュも内蔵していない。

 大きさはとても大事なのだけれども、撮れる写真の範囲でいえばKiss X6iの方がずっと広い。EOS MがX6iを脅かすような、野心的な“下克上”ミラーレス一眼じゃなかったのは残念ではあるのだが、おかげでしっかり構えてしっかり撮れるカメラがいいという人や、望遠やマクロ撮影をよくする人にすれば、Kiss X6iを選んでしまって問題ないとも言えるように思う。

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