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» 2012年07月31日 00時30分 UPDATE

デジイチ初心者応援:「シャッタースピード」を変えると写真の何が変わるのか

普段、撮影する際にあまり気にすることがないかもしれない「シャッタースピード」。シャッタースピードは写真表現において、どんな役割を果たすのでしょうか。

[mi2_303,ITmedia]

 前回(デジイチ初心者応援:「絞り」を変えると写真の何が変わるのか)は絞りを変えることで、「ボケ」をコントロールして写真のイメージ作りができるという話をしました。被写体以外を大きくボカすことで主役をハッキリと見せたり、その逆に全体へピントが合うように絞り込むことで情景を伝える表現ができることが分かりました。

 今回は、シャッタースピードをコントロールすることで写真の何が変わるのかを見ていきましょう。

シャッタースピードを変えてみる

photo ニコン「Nikon 1」ではシャッタースピードが速すぎて露出アンダーとなる場合、シャッタースピードの横に「Lo」の表示が出る

 カメラの露出モードを「シャッタースピード優先オート」(S/Tvモード)に設定することで、シャッタースピードを軸とした露出プログラムに切り替わります。

 シャッタースピードは機種ごとにシャッタースピードの上限と下限が決められており、その範囲内であれば自由にシャッタースピードを変更できるのですが、注意点があります。晴天のような明るい条件下ではシャッタースピードを遅くしすぎる露出オーバーとなり真っ白い写真になってしまいます。逆に屋内や夜など暗い条件下で速すぎるシャッタースピードにすると露出アンダー(露出不足)となり真っ黒な写真となってしまいます。

 それでは、シャッタースピードを変えて撮影してみましょう。まずはシャッタースピードを遅くしてみます。シャッタースピードが遅くなると手ブレしやすくなりますので、三脚やカメラを固定できる地面などを利用して撮影します。下の写真はシャッタースピードを上から1/60秒、1/15秒、1秒と遅くしています。

photo シャッタースピード 1/60秒
photo シャッタースピード 1/15秒
photo シャッタースピード 1秒

 1/60秒では流れる水が塊のように静止して見えます(もっとシャッタースピードを速くすることで、その一瞬を切り出したような表現となります)。1/15秒は水の粒子感が消えて一本の線のように見えるようになり、時間経過が分かるような写真となりました。

 1秒では流れる水は霧のようになり、水の勢いが感じられなくなりました。低速シャッターでは時間経過が連続的に記録されるため、肉眼では見ることができない写真表現が可能となります。

シャッタースピードを使いこなす

 シャッタースピードを変えることで、静止画に時間経過を記録できることが分かりました。では、実際にシャッタースピードを変えながら、いろいろな被写体を撮影してみましょう。

photo シャッタースピード 1/8000秒(Nikon D700 + TAMRON SP90mm F/2.8 Di MACRO 1:1)

 1/8000秒という速いシャッター速度で撮影すると、時間が静止したような独特の表現が可能となります。ほんの一瞬の出来事ですが、水面に落ちる水滴が玉のように見えます。代表的な高速シャッター撮影の例としては、牛乳の滴が王冠のようにはじける一瞬を撮影した「ミルククラウン」などがあります。

photo シャッタースピード 1/10秒(Nikon 1 J1 + 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6)

 動いている被写体をカメラで追う「流し撮り」はモータースポーツ写真などで多用される撮影方法です。

 動いている被写体を撮るにはシャッタースピードを速くするのが一般的ですが、逆に遅くすることで動きを表現することもできます。シャッタースピードが遅いままで撮影をすると、動いている被写体は残像をつけて流れてしまいます。そこで、被写体の動きにあわせてカメラを動かすことで、被写体にピントが合っていながらも、背景は流れるという躍動感のある写真を撮ることができます。これが流し撮りです。

 流し撮りを行う際には、被写体の移動速度に合わせて被写体以外が流れて見えるよう、シャッタースピードを調整して撮影します。若干の慣れが必要な撮影手法といえるでしょう。

photo シャッタースピード 30秒(Nikon 1 J1 + 1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6)

 夜間にカメラを固定して、シャッタースピード30秒という長い時間を掛けて撮影すると、光の軌跡が連なる写真の撮影が可能となります。走り去った自動車は写真には記録されず、明るいテールランプやヘッドライトの光だけが記録されています。

 夜間の撮影はライトなどの光があるためこの様に記録されますが、日中にはこのような光源がありませんのでND(減光)フィルターを用いて数分間という長時間露光で撮影すると、自動車や人など動く被写体が消えたゴーストタウンのような街並みを撮影をすることができます。

 シャッタースピードを変えることで、肉眼では見ることのできない独特な世界の撮影が可能となります。前回解説した手前から奥の空間をコントロールする絞りと、時間を表現するシャッタースピード。それぞれの特徴を理解することでワンランク上の写真表現が可能となりますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

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