撮像素子はα57と同様のAPS-Cサイズ 有効1610万画素“Exmor APS HD CMOSセンサー”で、画像処理エンジンには「BIONZ」を組み合わせる。常用ISOは100〜16000(オート時は100〜3200)で、AF測距点は中央3点クロスの15点。連写速度は約5.5コマ/秒(連写優先AEモードでは約7コマ/秒)だ。
モードダイヤルの「T7」は「テレコン連続撮影優先AE」で、画素中央部分から対象を約1.4倍に拡大し、最高7コマ/秒で連写する。この撮影モードではAF追従も行われるが、記録画素数はフル画素の約半分、8.4M(3568×2368ピクセル、メニューにて設定できる画像サイズ「M」と同じ)となる。ちなみにフル画素記録のドライブモード「Hi」では最高約5.5コマ/秒、「Lo」では最高約2.5コマ秒の連写速度となる。
加えてシャッターボタンの手前にある「ZOOM」ボタンを押すと、全画素超解像ズームを利用できる。ズーム倍率は1.1〜2倍となるため、キットレンズ「DT 18-55mm F3.5-5.6 SAM」ならば最大35ミリ換算165ミリ相当、ダブルズームキットに付属する「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」であれば最大600ミリ相当となる望遠撮影を楽しめる。
ちなみにテレコン連続撮影優先AE時でも「ZOOM」ボタンは併用できるので、前述のように画像サイズがフル画その約半分となるかわりに、1.4〜2.8倍のさらなる望遠撮影を楽しめる。しかし、テレコン連続撮影優先AEでは連写以外にドライブモードが選べないので、自動的に連写モードとなる。全画素超解像のデキがよいだけに、連写なしの画素が半分となっても最大2.8倍ズームという撮影モードが設定できれば面白いと感じた。
全画素超解像といってもデジタルズームであることには変わりないので、まったくの画質劣化なしとは言い難いが、それでも、装着しているレンズの数値を超えた望遠撮影がワンプッシュで可能になるという利便性は捨てがたい。ただ、「DT 55-200mm F4-5.6 SAM」のような望遠レンズのテレ端でさらにズームをかけると、その分だけ手ブレの可能性は高まる。利用時には三脚などでカメラを固定する事を心がけよう。
そのほかの撮影機能としては、被写体へカメラを向けるだけで、3分割法による構図をカメラが自動的に判断、トリミングを行い、空間を考慮した印象的な構図の写真を保存する「オートポートレートフレーミング」も用意されている。オートポートレートフレーミングは前述のテレコン連続撮影優先AEや超解像ズームなどズーム系撮影機能との併用はできないが、ポートレートで超望遠が必要となるシーンは多くないと思われるので問題ないだろう。
エントリー向けレンズ交換式カメラと言えば、ミラーレスタイプの定着がトピックとして挙げられる事の多い昨今だが、α37はAF追従の高速連写という、ミラーレスタイプではなかなか強みにできない部分(同社ミラーレスカメラの最上位機「NEX-7」でも速度優先設定で最高約10コマ/秒)を前面に押し出しており、「一瞬の表情を逃がさない」とアピールするその狙いは分かりやすい。それに全画素超解像ズームも効果が分かりやすく、使っていて楽しい機能だ。
そして基本的なスペックも充実している。シリーズのエントリーに位置づけられている製品ながら、同社製品サイトに掲載されている簡易比較表を見ると、連写速度を除くとα57にほぼ遜色(そんしょく)ない撮影機能を備えていることが分かる。ミラーアップがないという構造上、動画撮影にも向いており、子どもの運動会やペットなど、動きのある被写体を対象とする際に十分な能力を発揮してくれるだろう。
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小さく、軽く、速く。その一瞬を残すために。高速AF&最高約7コマ/秒のテレコン高速連写。価格は5万9800円(税込/予定)
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