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ダブルズームキットからのステップアップ(3)――ニコン「D3100」&ソニー「NEX-5N」編(1/4 ページ)

» 2012年08月30日 13時35分 公開
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「D3100 ダブルズームキット」におけるレンズ選択の考え方

photo ニコン「D3100」

 ニコン「D3100 ダブルズームキット」には、「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」の2本が付属しますが、いずれも同社で「DXフォーマット」と呼ばれるAPS-Cサイズセンサーに最適化されたレンズで、製品名にDXという文字が入ります。ちなみに35ミリフイルムと同じ大きさのセンサーはニコンにおいて「FXフォーマット」と呼ばれますが、レンズ名にFXという文字は入りません。DXフォーマット専用なのかそうでないかは、DXの文字が入っているか、入っていないかになります。

 D3100はDXフォーマットを採用していますが、FXフォーマットのレンズも装着できます。ニコンもキヤノンと同様に35ミリのフイルム時代から用意されているレンズが多く、レンズの焦点距離の表記は、35ミリサイズセンサーを搭載したカメラでその数値となる焦点距離になっています。

 D3100ではレンズにプリントされた数値の1.5倍が35ミリ換算の焦点距離になります。「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR」では27〜82.5ミリ相当となり、「AF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VR」では82.5〜450ミリ相当になります。

 では、DXレンズ以外を取り付けた場合はどうなるのでしょうか? それは同様に「×1.5」という数字になります。例えば、「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」というFXフォーマット対応のレンズをD3100に取り付けると、35ミリ換算での焦点距離は36〜105ミリ相当となります。FXレンズをD3100で使おうとすると、焦点距離は望遠側によってしまうのです。同社のDX対応標準ズームレンズ一覧を見ると広角側の焦点距離が16ミリや18ミリ(35ミリ換算では24ミリ、27ミリ)と装着時に30ミリを切るようになっていることが分かります。

 望遠側に寄ってもいい、またはFXフォーマット対応カメラでも使う、といった明確な意図がない限り、使用頻度の高い焦点距離をカバーする製品の中からレンズを選ぶのが正解と言えるでしょう。そういった意味からも、D3100にはDXフォーマットに対応したレンズがオススメです。

タムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」をチョイス

 一般的に高倍率ズームはズーム比7倍以上のものを指しており、D3100に装着できる高倍率ズームの主要製品(現行製品)で挙げられるものとして、ニコン「AF-S DX NIKKOR 18-200mm F3.5-5.6G ED VR II」「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR」、シグマ「18-250mm F3.5-6.3 MACRO OS HSM」「18-250mm F3.5-6.3 DC OS HSM」、タムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」があります。

 ここでは利便性重視ということで、まずは焦点距離の幅が広い(ズーム比倍率が高い)、ニコン「AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR」、シグマ「18-250mm F3.5-6.3 MACRO OS HSM」、タムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」の3本に絞ってみました。

 この3製品、サポートする焦点距離で見てみると、ニコンが18〜300ミリ(約16.7倍)、シグマが18〜250ミリ(約13.9倍)、タムロンが18〜270ミリ(約15倍)となり、ニコンが有利。レンズの明るさで見ると、ニコンが望遠側でもF5.6なのに対し、シグマとタムロンはF6.3なので、これまたニコンが優位に。そのほか機能面で気になる部分として、AFが静かで高速に合焦する超音波モーター、手ブレを軽減する手ブレ補正機構などはどれもが装備しているので互角。

 最後に一番気になる部分として実売価格を比べてみました。結果はニコンが11万円前後なのに対し、シグマが6万円前後、タムロンが6万6千円前後とかなりの差があります。スペックで見ればニコンが一番いいのは明らかですが、10万円を超える製品なので、おいそれとオススメするわけにもいかず、さらに次に紹介する単焦点レンズもシグマやタムロンとの差額で買えてしまうので、ここでは一番先にチョイスから外させてもらいました。もちろん、よいレンズなので、資金的に余裕がある人は選択肢に入れてみてください。

photo タムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」

 残った2本から選ぶのも結構頭を悩ませるのですが、ここはタムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」を選んでみました。価格的にはシグマより少々お高めですが、ズーム倍率が高いのと、タムロン製レンズのズームリング操作はニコンと同じで、右側に回すと鏡胴が伸びてズームできるので初心者でも戸惑うことなく操作できます。この2点を判断材料としてみました。

 タムロン「18-270mm F/3.5-6.3 DiII VC PZD 【B008N】」の全長は88ミリ、望遠側まで繰り出すと約168ミリ、伸ばすと約75ミリ。重さは約450グラムなので、ダブルズームレンズキットの2本(265グラム+530グラム)より軽く、携帯も楽になります。D3100がコンパクトなので、取り付けると若干レンズが大きい気がしますが、ズームにして鏡胴を伸ばして構えてもバランスが悪いといった感じはしません。

 超音波モーターを搭載しているのでAFの合焦スピードは俊敏で、動作音は少しする程度。ズームリングの操作では18〜100ミリまでは若干の重さを感じますが、引っかかるようなことはありません。手ブレ補正機構「VC」は最大で4段分の手ブレを補正してくれるのでかなり強力。望遠撮影時にファインダー越しに被写体を見るとその効果がはっきりと分かります。

作例

photo 焦点距離:120mm、F6 1/30秒 ISO160 露出補正+1.3
photo 焦点距離:220mm、F13 1秒 ISO100 露出補正−1
photo 焦点距離:270mm、F8 1/200秒 ISO100 露出補正+0.7
photo 焦点距離:270mm、F6.3 1/400秒 ISO100 露出補正±0
photo 焦点距離:18mm、F10 1/500秒 ISO800 露出補正+1

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タムロン | NIKKORレンズ | SIGMA | α NEX | ニコン D | APS-C


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