次に単焦点レンズです。
キヤノン編ではEOS Kiss X5にキヤノン「EF40mm F2.8 STM」、オリンパス編ではPEN Lite E-PL3にオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」、ニコン編ではD3100にニコン「AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G」、ソニー編ではNEX-5Nにシグマ「19mm F2.8 EX DN」と単焦点レンズをそれぞれ紹介してきました。
単焦点レンズのメリットは明るく、軽く、高画質ということです。レンズが明るいメリットはいくつもありますが、まずシャッター速度を速くできることが挙げられます。シャッター速度が稼げると、屋内(人の目で感じるより、カメラは室内を暗いと判断します)でよく動く子どもやペットを撮る際に威力を発揮し、被写体ブレする確率がかなり減ります。
また、F値が小さいとピントが合った部分以外はボケで表現されますので、被写体がより際立った写真を撮ることができます。レンズがシンプルな構造の分だけ画質もズームレンズよりものが多く、髪の毛や肌の質感などもリアルに再現してくれます。
反対にデメリットは、焦点距離が一定なので画角が制限されてしまうことです。ズームレンズならその場でズームリングを操作するだけで写る範囲を決める、クローズアップすることができますが、単焦点レンズはそうはいきません。いい写真を撮るためには、その分だけ撮影者が移動する必要があります。
ですので、購入する際に「自分はこのくらいの距離でこのくらいの大きさの写真が撮りたい」といったイメージを固めておくのがよいでしょう。例えば、今回紹介した広角よりのシグマ「19mm F2.8 EX DN」(35ミリ換算で約28.5ミリ相当)は対角線画角が73.5度ありますが、中望遠のオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(35ミリ換算で約90ミリ)は27度とかなり違いがあります。数字を言われてもイメージが浮かばないかとも思いますので、ショップでレンズを体験してみるのがベストです。
あとひとつ注意点を挙げるとすると、F値が小さいとピント合わせがシビアになることです。ボケやすいというのは反面、ピント合わせをしっかりしないと、どこに焦点が合っている写真なのか分からなくなるということです。背景にピントが合ってしまって、せっかく主役にしたい被写体がボケてしまっては本末転倒です。
なので、AFはファインダーをのぞいてしっかり合わせるか、AFが迷ってしまったりうまく合焦してくれないときは、MFで合わせましょう。各社で呼び名が違いますが、フルタイムマニュアル、ダイレクトマニュアルフォーカスといった機能が備わっていれば、AFで合わせた後にレンズのMFリングを操作することで細かく調整できます。
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