ITmedia NEWS >

ダブルズームキットからのステップアップ(4)――高倍率ズームと単焦点レンズのTips「3本目」のレンズを選ぶ(3/3 ページ)

» 2012年09月07日 08時30分 公開
[野村シンヤ,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

 今回は売れ筋モデルのダブルズームレンズキットを購入した方を想定して、3本目のお勧めレンズとして高倍率ズームと単焦点を紹介しました。ですが、この2種類以外にもまだまだレンズの種類はあります。

 標準ズーム、望遠ズーム以外のズームレンズには、「広角ズームレンズ」があります。こちらは35ミリ換算15〜30ミリ前後の広角側によったズームレンズで、プロ用を除くと価格帯は5〜8万円前後といったところです。遠近感が強く強調された、人間の目では見ることができない世界を表すことができるので、非常にダイナミックな風景写真などが撮れます。

 その反面、周囲がゆがんでしまいますので、モノを正確に写したりすることや、ポートレート撮影といったものには向いていないと言われます。広角ズームレンズは風景はもちろんのこと、使い方によっては非常に面白い写真も撮れるので、写真を変えたいと思っている人にはお勧めです。

 あとは「大口径ズームレンズ」といわれる種類のレンズがあります。こちらのレンズは焦点距離全域で非常に明るい高性能レンズです。キヤノン「EF24-70mm F2.8L II USM」やニコン「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」といったプロカメラマン御用達のレンズもここに入ります。デメリットはサポートする焦点距離が高倍率ズームほどなく、また明るいレンズのため口径が大きくなり、レンズの重量も重くなるということです。それでも明るいレンズによって表現幅が広がるのは魅力的です。高価な製品が多くなりますが、標準ズームレンズに物足りなくなった方は検討してもよいでしょう。

焦点距離や明るさ以外で選ぶ、その他の単焦点レンズ

 単焦点レンズでは、「魚眼レンズ」(フィッシュアイレンズ)と「マクロレンズ」(ニコンはマイクロレンズの名称)といったものがあります。魚眼レンズはその名の通り、魚の目で見たような感じで写真が撮れるのが特徴です。ただし、あまりにも特殊な画角ですので撮影用途が限定されます。興味を持った人以外にはお勧めしにくいレンズです。

photo レンズのスペック表にある「最短撮影距離」とは、どこまで近くによって撮影できるかを示しており、レンズ先端ではなく、撮像素子の位置から被写体までの距離となります。カメラの上部をよく観察するとわかるのですが、丸に横棒が入ったマークがある場所が基準点になります

 もうひとつのマクロレンズは、クローズアップして撮るのが得意なレンズです。単焦点でマクロレンズとうたっているものはほとんどが最大撮影倍率1倍(等倍)となっており、よくある例えですが、最短撮影距離で5円玉を撮像素子上にそのままの大きさで撮ることができます。小さいお花を撮った写真で、雌しべや雄しべがクッキリと写っている写真はこうしたマクロレンズを使ったものです。

 こちらもメーカーや製品、焦点距離によって価格幅はありますが、安価なものなら2万円前後くらいからあります。マクロレンズはボケを表現しやすく、ディテールを緻密に再現できるので、ポートレート撮影にも向いています。レンズを変えることによって写真が変わるといった体験を得やすいのがマクロレンズなので、お勧めのレンズの1本として挙げておきます。

関連キーワード

望遠 | 広角 | 標準ズーム | 交換レンズ


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.