シグマ「APO MACRO 180mm F2.8 EX DG OS HSM」は、フルサイズのデジタル一眼に対応した望遠マクロレンズです。焦点距離は180ミリで、開放値はこのクラスでは初となるF2.8を実現。浅い被写界深度を生かしてボケのある表現を狙ったり、薄暗いシーンをストロボを使わずに撮るのに有利なレンズといえます。
最短の撮影距離は47センチで、最大撮影倍率は等倍に対応。等倍撮影時のワーキングディスタンスは約22センチとなります。焦点距離が100ミリ前後の一般的なマクロレンズに比べると、ワーキングディスタンスがより長いため、近づくと逃げてしまう昆虫や小動物をとらえるのに打って付けです。
レンズの全長は203.9ミリで、重量は1640グラム。マクロレンズとしてはかなり大きくて重いため、徒歩での持ち運びや手持ちでの撮影には、それなりの覚悟と気合いが必要です。ただ、ふだんから花や虫の撮影を趣味にしている人であれば、これくらいの重量は苦にならないのかもしれません。
手ブレ補正は、約4段分の効果をうたう光学式補正機構「OS(Optical Stabilizer)」を内蔵。残念ながらマクロ撮影では効果はあまり感じませんが、風景など遠距離の被写体に対しては十分な威力を確認できました。
AFは、超音波モーター「HSM(Hyper Sonic Motor)」によってまずまず高速に、かつ静かに作動します。フォーカスリミッターを備えている点も便利です。鏡胴部にあるスイッチによって、フォーカスの範囲を「全域/0.67メートル〜∞/0.47〜0.76メートル」の3段階に切り替えることができ、被写体に応じて、無駄なピントのを動きを防ぐことができます。
写りは切れ味が鋭く、開放値から四隅までシャープな像を結びます。開放値では、周辺減光が見られますが、中央部から周辺部に向かってのゆるやかな落ち込みです。これが気になる場合は絞り込むことで解消できます。そのほかの各種の収差は目立たないように低減されています。
下の写真は、レインボーブリッジの遊歩道から見た夕景です。F8まで絞り込むことで、くっきりとした描写を得られました。その次は、約40分後に撮影した日没後の眺め。遊歩道上では三脚が使用できませんが、強力な光学式補正によって、低速シャッターながら手ブレを最小限に抑えることができました。
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