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タッチパネルAFが便利で楽しい 完成度の高いEVF搭載ミラーレス 「DMC-G5」(1/4 ページ)

» 2012年09月28日 11時42分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 はじめて登場したミラーレス一眼は、パナソニックの「DMC-G1」で、それはEVFを搭載した、妙に一眼レフを意識したデザインだった。ある意味、ミラーレス一眼の源流だ。それを受け継ぐGシリーズだが、「DMC-G3」で妙に丸っこくかわいくなっちゃったのである。それはそれでアリだし、EVF搭載機とは思えないほど小さく、軽かったのだけど、もうちょっと本格的に使いたい層には不満があったのだ。アイセンサーもなかったし。

 その辺が全部解消されて、なおかつ面白いアイデアで使い勝手がぐんと上がった機種、それが新製品「DMC-G5」だと思っていい。もうこんなことなんで誰も今まで思いつかなかったんだ、という面白いアイデアがひとつ詰まってるのだ。

photo 「DMC-G5」 G3に比べて少し右肩ががっしりした印象になった。写真のレンズは標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S」だが、電動ズームレンズ「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S」の付属するパワーズームキットもある。

最高に面白くて便利なタッチパネルAF

 DMC-G5はEVFとタッチパネル付バリアングル液晶を搭載した、どんな撮影スタイルにも対応できる汎用性の高い、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラである。G3では省略されたアイセンサーも搭載されたのでEVFと液晶パネルは自動切り替え。液晶パネルを開けばローアングル撮影もハイアングル撮影も自分撮りも縦位置でのローアングルハイアングルもこなせる。便利なヤツである。

 レンズマウントはいうまでもなくマイクロフォーサーズ。マイクロフォーサーズマウントのレンズをどれも使える(ただし、本体内に手ブレ補正機構を持たないので、手ブレ補正未搭載のレンズを使うときは注意)。 撮像素子は1600万画素のLiveMOSセンサー。スペック的にはG3と同じだが、ISO感度は最高12800までなど性能は上がってる。

 実際、ISO3200で比べたところ、G3よりはぐっとレベルがあがってるが、同じくマイクロフォーサーズのオリンパス「OM-D E-M5」よりはノイズが多めかなというところ。かなりいい線だ。

photo 左上がG5、右上がG3、下がE-M5。まったく同じレンズを装着し、F5.6で合わせて撮影

 ボディはG3よりちょっとだけ大きくなったが、グリップ部の出っ張りが復活し、そこにシャッターボタンがついた。これはいい。しっかり構えてEVFで撮るときの安定感がG3とは違う。小型軽量のシステムでしっかり撮りたい人には最適な使い心地だ。

photo 正面から。右が先代のG3、左が新しいG5。全体の雰囲気は似ているが、グリップ部がまったく違う。G5の方が圧倒的に握りやすい

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 で、注目すべき操作系の追加が2つある。

 ひとつはグリップ上のファンクションレバー。左右に倒せるレバーで、電動ズームレンズを装着したとき、これでズーミングができる。これはいい。コンデジ感覚で右手だけで操作できるし、動画中のズーミングも楽になる。ただ今回は手元に電動ズームレンズがなかったので試せず。残念。

 G5は電動ズームレンズ「LUMIX G X VARIO PZ 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S」の付属するパワーズームレンズキット、標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 14-42mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S」、望遠ズームレンズ「LUMIX G VARIO 45-150mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA O.I.S」をセットしたダブルズームレンズキットが用意されるのだが、手元にやってきたのはダブルズームの方だったのだ。これ、ダブルズームの方も電動ズームにして欲しかったよね。

 電動ズームじゃないレンズを搭載したときはこのレバーは露出補正用になる。まあそれはそれで便利なのでよし。露出補正は従来通り背面電子ダイヤルをクリックしても行えるのだが、電子ダイヤルの位置は少し外側に移動した。これはちょっと使いづらくなったと感じる。親指の動きが大きくなっちゃうから。

photophoto グリップ部のシャッターとファンクションレバーに注目。電子ダイヤルは右肩の角に移動した。回すたびに親指を外にもってかなきゃいけないのはイマイチ。iAボタンがここにあるのは便利

 もうひとつがすごいアイデアである。ハードの追加なしで可能なアイデア。

 タッチパネルAFは便利なんだけど、EVFをのぞいてるときは使えないのがすごく不便だった。あれに慣れちゃうと、EVFをのぞきこみながら十字キーでAFポイントを移動させるのはとても面倒。。

 パナソニックは(たぶん)こう考えた。EVF時もタッチパネルだけ有効にすればいいんじゃね?――それがタッチパッドAFである。EVFをのぞいているときも液晶モニタのタッチパネルは生きていて、触ったところにピントが合うのだ。タッチパネルを「タッチパッド」的に使うのである。

photo 構えた状態で右手親指を伸ばして液晶モニタをタップすると、そこにピントが合う。慣れるとすごく便利

 写真のように右手の親指をこのように顔とモニタの間にすべりこませ、親指でモニタを触ると、触った場所にAFポイントが移動するのだ。これは便利。顔とモニタの間に隙間がない、という人は、モニタを横に開いて左手でタッチしてもいい。

 使ってみると、とっても快適で、もうEVF搭載ミラーレス一眼の全モデルに搭載して欲しい。特に望遠レンズを使うときは欠かせないぐらい。

 ただ注文はある。今は「触った絶対位置」にAFポイントが移動するので、右手親指の場合、左上にピントを合わせるとき指を無理に伸ばさなきゃいけないのだ。

 タッチパッドAFというくらいだから、ノートパソコンのタッチパッド同様、相対位置指定にして指をすらすとそれに応じてAFポイントが移動するようにした方が使い勝手はいいかと思う。どうだろう。ぜひ相対位置指定のモードもつけて欲しい。もうひとつ、タッチパッドは感圧式じゃなくて静電容量式にしてもらえるとより反応が良いはずなので、そうして欲しかった。

photo 背面から。タッチパネルは感圧式(残念)。液晶パネルは3:2のアスペクト比。バリアングルで92万画素と高精細でG3より見やすくなった。右には円形十字キーと各種ボタン。Fnキーとして使えるボタンが背面だけで3つあり、カスタマイズのしがいがある。EVFの下にはアイセンサーがついた

 なお液晶モニタを閉じた状態では(当たり前だけど)使えないので、それに気づかないとちょっと間抜けなことになります。

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