では撮ってみる。
撮影機能は従来のGシリーズを継承。P/A/S/Mのモードにシーンモードやクリエイティブモード、iAボタンは独立式。iAボタンが独立しているのはいい。とっさに撮るときこれを押せばカメラ任せにできるから。「iA+」に設定しておけば、iA時も露出補正や色の調整も可能だから普段はこれでいいかも。
シーンやクリエイティブモードのインタフェースは先に出た「DMC-GF5」と同様で、ビジュアル的にも分かりやすい。シーンモードのシーン内容が、「料理をおいしそうに撮る」とか「スイーツをかわいく撮る」とか「夕焼けを幻想的に撮る」などといった、「こんな写真を撮りたい」というニーズの細かい羅列になってるのが面白い。
撮影機能面での注目すべきポイントは3つ。
ひとつめは電子水準器。左右と前後の傾きを示してくれるので水平をとりやすくなった。まあやっとついてくれたか、という感じ。ふたつめは電子シャッターモード。通常はメカシャッターなのだが、メカシャッターをオフにして電子シャッターだけで撮るモードがついたのだ。
電子シャッターで撮るメリットはいくつかある。まずは超高速連写が可能になること。連写速度を「SH」にすると4Mサイズに画像サイズは落ちるが、秒20コマの連写が可能になる。それに無音で撮れる。電子音をオフにして電子シャッターモードにすると、本当に静か。シャッター音を出したくない場所で有効だ。
ただし、電子シャッターだと高速な被写体を撮ったとき、ローリングシャッターゆがみと呼ばれる現象が起こる。
なのでいつでも電子シャッターにしておけばOKってことはない。メカシャッター時でも秒6コマの連写が可能なので、動くものを連写したいときはメカシャッターがよい。
みっつめのポイントはHDRモードがついたこと。露出を変えながら3枚撮影して合成することでダイナミックレンジの広い写真を撮るという、既にお馴染みの機能がついた。あまり極端なHDRにしないので常用しやすい。ただ、手持ちで撮ると、撮影中の手ブレによって構図が少しズレ、うまく合成してくれないことが多い。
そんなときは電子シャッターと併用するのである。そうするとメカの動きがない分連写速度も速くなり、ブレも無くなるので手持ちHDR撮影の失敗が減る。HDRで高速移動する被写体を撮ることはないので、HDRをオンにしたときは自動的に電子シャッターに切りかわってもいいと思うくらい。
ファンクションキーのカスタマイズはけっこう柔軟なので、HDRと電子シャッターをファンクションキーに割り当ててさっと切り替えられるようにするのがお勧めだ。動画はもちろんフルHD。AVCHDなら60p記録が可能。MP4でもフルHDの30pとなっている。
ざっとG5で新しくなった点を中心に見てきたが、EVF付ミラーレス一眼としては実によくできたカメラ。前モデルのG3がEVF搭載機としてはいささか中途半端な仕様だった(なんしろアイセンサーも縦横検出もなかったのだから)ことを思うと、G5の良さがより際立つ。コンデジっぽく使いたい人のGF5に対し、時にはファインダーを覗いてしっかりと、気楽に撮りたいときは液晶パネルで、と幅広く撮りたい人にお勧めできる本格派ミラーレス一眼だ。
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