では最後にカメラの話。
S800cはカメラとしては標準的な10倍ズーム機。1600万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、35ミリ換算25〜250ミリ相当の10倍ズームを持つ。
撮影機能は他のCOOLPIX同様、おまかせオート(毎回フラッシュがオートになっちゃうのはちょっと閉口するけど)、通常のオート、シーンモード、スペシャルエフェクトなどを持つが、主力モデルに比べるとスペシャルエフェクトの数も少ないし、手持ち夜景機能もない。その辺、シンプルになってると思っていいし、エフェクト系はAndroidアプリでやっちゃえ、と思えば気にならない。
使い勝手は、3.5インチの有機ELは見やすいし、静電容量式のタッチパネルはスマホと同じで、タッチパネルデジカメとしてはかなり快適だ。
残念なのはGPS。AndroidのGPS機能はWi-FiとGPS衛星の両方を使うのでけっこう測位も速いが、カメラ機能のGPSはそれとは別で動いているようで、ちょっと測位が遅い。まあ裏でAndroidのGPS機能を動かし続けるとバッテリを消耗するからだろうから、難しいところだ。
ハードウエアへの不満はUSBコネクタ。ニコン独自(他のCOOLPIXと同じ)タイプのUSBコネクタなのだ。ここはもういっそのこと、Android機標準のmicroUSBコネクタにすべきだったと思う。そうすればいろんな市販のモバイルバッテリやケーブルも利用しやすくなる。ついでにメディアもSDカードじゃなくてmicroSDにしちゃってもいいくらい。
で、COOLPIX S800cはどうやって使うと楽しいか。
スマホにWi-Fiで転送する機能もあるけど、いささか手順がめんどくさい。それよりは、別途テザリング可能なスマホか、モバイルWi-Fiルーターを用意して同時に携帯するのがいいだろう。
自宅で必要なアプリを用意しておき、外ではWi-Fiルーターを使ってインターネットにアクセスし、写真を加工して公開しちゃうのである。あれこれいじってみて、それが一番快適で楽しいという結論に達した。
何しろ、スマホのカメラよりずっと高画質で光学ズームも効いた写真を、スマホのように自在に編集してフィルタかけてカッコよくして公開するとかが、単体でできちゃうのだ。帰宅したら、Wi-Fiを使って写真をクラウドにアップし、それをパソコンでダウンロードって使い方をするのも良さそう。
ごくまれにWi-Fiに接続できなくなったり、USB充電中は本体を使えないなど細かな欠点もあるが、もうちょっと洗練されて完成度が上がってきて、COOLPIXで動作保証されたアプリがでてくれば、もっと楽しい新しいスタイルのデジカメになっていくんじゃないかと思う。あとは、これはAndroidの問題だけど、アプリのクオリティと種類かなあ。iPhoneに比べるとカメラアプリや画像処理系アプリが少ないというのを実感した。こういうカメラで遊ぶならもうちょっといろいろ欲しいところだ。
ともあれ、スマホ用OSを搭載したデジカメって思ったより面白く使えそう。3G回線が使えた方が便利だけど、テザリング可能スマホが一般的になれば問題ないし。
アンドロイドコンデジという新ジャンルに期待です。
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