UI部分の進化としては、やはりタッチパネルに対応した点が大きい。PEN miniシリーズでは「ストライプスクリーン」と呼ばれるインタフェースを採用しており、MENUボタンを押すと縦のストライプで項目が並び、ダイヤルや十字キーで項目を移動し、選択する、という流れになる。
UI自体は特に迷うことなく、分かりやすいのだが、ダイレクト性がない。ダイヤルでも十字キーでも動作が同じで、十字キーで左右、ダイヤルで上下といったような動作が分けられていたら、より素早い選択ができたようにも思う。しかし、今回は、タッチパネルを利用できるのが大きな違いだ。
画面にタッチするだけで操作できるため、ストライプスクリーンがより効果的になった。もともとスペースを広く使ったUIなので、指でのタッチも誤操作がなく、やりやすい。それでありながら、画面の離れた場所もいちいちボタンを何度も押さなくても素早く選択できる。
画面に一度タッチすると選択、長押しするとカーソル移動という挙動も気が利いている。押し間違えてしまっても指を動かさなければ選択されず、改めてやり直せるからだ。指で画面に触れてそのまま滑らせれば、カーソルを移動させるのと同じ動作になり、選択したい場所で指を離し、もう一度タッチするか、OKボタンを押して選択、という動作も可能だ。右手でボタン、左手で画面に触れて操作するという使い分けもできる。
撮影中にストライプスクリーンを呼び出す場合は、MENUボタンを押すか、画面左下のモードアイコンをタッチする。これも位置的には、右手ではボタン、左手ではアイコンをタッチするという使い分けができる。
より詳細な設定はストライプスクリーンのSETUPを選択する。この画面はほかのPENシリーズやOM-Dと同じデザインで、ここではタッチ操作はできない。この辺りはちぐはぐにも感じるが、利用頻度の高い操作はタッチパネル、詳細設定はダイヤルとボタンという判断なのだろう。
いずれにしても、タッチ操作に対応したことで、ストライプスクリーンはさらに使いやすくなっている。最新スマートフォンのレベルとはいわないが、タッチパネルの反応も良く、動作は快適だ。
タッチ操作は撮影時にも有効。タッチシャッター、タッチAFに対応し、画面に触れるだけでその場所にAFをあわせてシャッターを切ることができるようになった。画面上のタッチアイコンに触れれば、タッチシャッター、タッチAF、タッチ操作無効を切り替えられるのもいい。
タッチシャッターやタッチAFは、こうしたコンパクトなカメラに向いている。指でタッチする時には両手でカメラの保持ができなくなるため、軽いボディでないとブレやすくなるためだ。ボディが薄いのでスマートフォンのように本体を握って、画面に親指で触れてシャッターを切る、という方法でも使いやすい。
再生時も、サムネイル画面から画像をタッチで選べるので画像を選択しやすい。1枚表示の状態で画面に一度タッチすると、拡大/縮小バーとサムネイルアイコンが表示され、画像の拡大やサムネイル表示もタッチ操作で行える。
スマートフォンのような2本指での操作には非対応だが、拡大再生時に指で画像の再生位置を移動させることはできる。1枚表示の状態で左右にフリックすると、画像を切り替えることもできるが、反応はやや鈍い。タッチパネル自体の反応は悪くないだけに、惜しいところではある。
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