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» 2012年10月31日 21時40分 UPDATE

長期試用リポート:「PowerShot S110」第1回――バーで実用に耐えるか、高感度特性をチェックする

明るい大口径レンズに高感度センサーの組み合わせで大人気となったPowerShot Sシリーズの最新機種が「PowerShot S110」だ。まずは高感度性能をチェックしてみたい。

[野村シンヤ,ITmedia]
photo 「PowerShot S110」

 コンパクトなボディにF2.0の明るいレンズと高感度センサーを搭載し、大人気デジカメとなったこのシリーズもPowerShot S90から数えてはや4代目。暗いところでもキレイに撮れて、しかもポケットに入れていても苦にならない大きさなので、個人的には「アフター5カメラ」としていつも購入を検討しているデジカメだったりする。

 そのS110だが、有効約1210万画素の1/1.7型高感度CMOSセンサーに画像処理エンジン「DIGIC 5」、広角端が開放F2.0、望遠端がF5.9のレンズの組み合わせで、スペック上では前モデルであるS100と変わらない。しかし、センサーが新型に変更され、最高ISO感度はISO12800と(S100はISO6400まで)と、より高感度撮影に強くなっている。

 高感度撮影時の画質は、このカメラの一番のポイント。実際にバーのカウンターへ持ち込んで試写してみると、ISO1600までならノイズもほとんどなく、このシリーズならではのキレイな仕上がり。ISO3200になると、パッと見でボヤっとして解像感が足りなく、拡大するとノイズや偽色が目立ってくるが、思っていたほどではない。ISO6400以上になると、さすがにザラついてくるので、ここからは撮影シーンを限定して使いたいところだ。

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photophoto 左からISO800、1600、3200、6400、12800の例。

 高感度撮影時はNR(ノイズリダクション)も働くので、細かいながらも一応チェックした。NRは「弱」「標準」「強」の3段階あり、デフォルトでは「標準」が設定されている。「強」だと全体的なノイズは抑えられているが、ラベル上部の黄金色の文様のディテールが甘くなり、「弱」だとその逆でノイズは目立つがディテールのつぶれは少ない。

 こうして見ると、ISO1600までならほとんどISO感度を意識しなくてもいいといえる。それはISO感度のAUTO設定にも表れており、最高で設定できるのは1600までとなっている。撮影場所の明るさにもよるが、これだとAUTO(フラッシュ使用禁止に設定した場合)やPモード(プログラムAE)の場合、広角端のF2.0でシャッター速度は1/25秒とか1/50秒。これが望遠側になると開放F5.9となるので、飲み会の席などでは「ハイ、グラスそのままでこっち向いて」とでもやらない限りは被写体ブレを起こしてしまう。こういった場で雰囲気を残した写真を撮りたい場合はシャッタースピードをかせぐしかないのだが、そのためにISO感度を変更しようにもISO1600以上はAUTOで設定できないので、ブレるようなら最初からISO3200とかで使ってもいいかと思う。

photophotophoto ISO3200でのNR「弱」「標準」「強」
photophotophoto ISO6400でのNR「弱」「標準」「強」
photophotophoto ISO12800でのNR「弱」「標準」「強」
photophoto 個人的にはISO3200でもこういった場所で気軽に写真を撮るなら積極的に使いたい
photo 動きのあるシーンならISO6400にしてもいいだろう。ディテール不足やノイズは仕方ないが、雰囲気のある写真に仕上がる
photo 動かない被写体であれば、ISO1600、シャッタースピード1/10秒でも強力な手ブレ補正機構がなんとかカバーしてくれる。ただし、過信は禁物

 S100からS110で大きく変わった部分として「タッチパネル」が導入されたことにも触れておきたい。S110はすべての動作を液晶タッチで操作するわけではなく、マニュアルライクな操作感が好評なレンズ根本の「コントローラーリング」とタッチ操作を組み合わせることで操作性を向上させている。

photo スマートフォンのようにピンチイン・ピンチアウト操作をすれば、写真の拡大縮小も思うまま。動作はなめらかで気持ちがいい。最初の表示サイズから縮小させればサムネイル表示に切り替わり、操作をするごとに4枚、9枚、36枚、100枚表示で閲覧することも可能。今まで通りズームレバーで操作することも可能だが、こちらの方が便利に感じる人は多そうだ

 もちろん、スマートフォンではおなじみの触れた場所にAFを合わせる「タッチAF」や「タッチシャッター」といった機能も備えている。また、AFモードの選択や露出補正の調整値をタッチ操作で変更することも可能なので、慣れればより素早い操作ができる点も評価したい。

 その中でも今回使っていて一番便利だと感じたのは写真の再生だ。再生ボタンを押したあと表示される画像をスマートフォンのように2本の指で広げたり狭めたりするピンチイン/アウト操作をすれば拡大・縮小が思うままだし、画像を選ぶのも指を当ててなぞるフリック操作をすればスイスイと写真を切り替えることが可能だ。

 さらにフリック操作を続けているとサムネイル画面へ自動的に切り替わり、フリックさせた分だけスルスルと写真が表示されていくのはなかなか心地よい。静電容量式のタッチパネルなので反応も機敏、ストレスを感じることもない。

 とにかく直感的に操作できるので、デジカメに慣れてない人でもすぐに使える仕上がりだ。強いて注文を付けるとしたら、写真の削除だ。これは「削除」ボタンを押さなければいけないので、例えば写真を一定時間タッチしていたら削除メニューが表示されるなど配慮されれば個人的にはよいかと思う。

 さて、次回は無線LAN機能か、もしくはさまざまなエフェクトを使った撮影機能を紹介したいと思う。

(撮影協力 グランシップ

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