インタビュー
» 2012年11月05日 11時00分 UPDATE

「写真すること」――写真家 瀬尾浩司と女優 今宿麻美の場合 (1/2)

各界で活躍する18名のアーティストが「FUJIFILM X」で撮影した作品を展示する写真展「写真すること」が開催される。本展のプロデューサーを務める写真家 瀬尾浩司さんと、作品を展示するモデル・女優の今宿麻美さんにそれぞれの「写真すること」を聞いた。

[渡邊宏,ITmedia]

 各界で活躍する18名のアーティストが富士フイルムの「FUJIFILM X」を手に、自身の撮った作品を展示する写真展「写真すること」が11月9日より開催される。ファッションデザイナーや女優、スタイリスト、編集者、ヴォーカリスト、メイクアップアーティストなどそれぞれ活躍する領域は異なるものの、さまざまな表現者がカメラを手にし、「写真すること」の素晴らしさが感じられる写真展となっている。

 本写真展にて自身も作品を出展するほか、プロデューサーを務める写真家の瀬尾浩司さんと、FUJIFILM X100のフリーペーパーにて作品を発表し、今回の写真展にも作品を展示するモデル・女優の今宿麻美さんにそれぞれの「写真すること」を聞いた。

photo 写真家 瀬尾浩司さんとモデル・女優の今宿麻美さん

「写真すること」

――「写真すること」は写真展ですが、写真家の作品展ではなく、表現者の写真展とも呼べるものかと思います。どのようなきっかけで、このような写真展を行うことになったのでしょう。

瀬尾さん: 写真展をしようというよりも、いつも一緒に仕事をしている仲間と「何かしたいね」と話していたのがきっかけで、今宿さんとは僕の師匠(写真家の故・植田正治氏)の写真展に来てくれた縁もありました。今宿さんは職業柄いつも撮られる側だけれども、それが撮る側に回ったら面白いのではないかというのも声をかけた理由ですね。

今宿さん: 瀬尾さんのことは以前から存じ上げていましたが、お仕事でご一緒したことはあまりなくて、声をかけて頂いたときは正直、「私でいいんですか?!」と思いました(笑)。

瀬尾さん: デジタルの時代になってシャッターを切る行為はすごく身近になったのに、それをプリントする、鑑賞する機会はとても少なくなってますよね。改めて、今だからこそ「撮って、プリントして、見てもらう」ことが大切なんじゃないかと。

photo

 僕はいろいろな国へ行きましたけれど、プリクラや写メール、いまではスマホと、日本ほど写真への密着度が高い国はありません。でも、それらは情報ツールに留まってしまっています。確かにある年齢以上の層では「写真」として定着していますけれど、もっと若い層には、せっかく写真大国に生まれて、写真が身近なのだから、もっと日本から世界へ発信して欲しいと思いますし、そんな状況になれば楽しいですよね。

 同じ音楽でもコンサートとCDが違うように、ネット越しの写真とプリントされた写真では違います。技術の進歩があったとしても、両方が残っていないとつまらないし、僕は若い世代に両方を残したいと思います。そうした思いがあったことも、写真展を企画した理由のひとつですね。

 写真展というと「何かテーマに即して撮ったもの」になることが多いですが、今回の「写真すること」についてはそうしたテーマを設けませんでした。その自由さがいいかな、と。18名の人選自体がさまざまなジャンルにまたがるようにしていますから、それぞれの日常だったり、好きなものだったり、琴線に触れたものであったりが被写体であって、その根底に「写真する」意識さえあればいいのかな。

 歩くことひとつにしても、何かを意識すれば見えてくるものは変わってくるし、「写真をしよう」という気持ちが、今回の展示されている作品すべてに出ていると思います。

――「写真を撮ること」ではなくて「写真すること」とした理由は

瀬尾さん: 普通に日本語にすれば「写真を撮ること」になるのでしょうけれど(笑) FUJIFILM Xシリーズいうカメラが軸としてあると、その軸を中心とした輪ができるというか、「このカメラで1カ月遊ぼうぜ」みたいな楽しい感じになったんです。そうして撮られた写真から感じられるもの――それぞれのライフスタイルとか生き方だったり、カメラへの関わり合いみたいなもの――のなかから、「写真する」という言葉が出てきたんです。

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