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» 2012年11月08日 11時00分 UPDATE

長期試用リポート:「PowerShot S110」第3回――豊富なエフェクトと撮影機能を活用する (1/2)

PowerShot S110はポケットへ気軽に入れておけるサイズながら、撮影機能がとにかく豊富。今回は簡単に作品風の写真を撮れる「クリエイティブフィルター」やさまざまな機能を使って歩き回りながら写してみた。

[野村シンヤ,ITmedia]

 PowerShot S110(以下 S110)は、カメラまかせの「オートモード」に自分好みの写真に仕上げたいときの「Tv」「Av」「M」、自分が任意のシーンを指定する「シーンモード」、など基本的な撮影機能を備えるのはもちろん、簡単に作品風の写真に仕上げることができる「クリエイティブフィルターモード」がなかなか秀逸だ。普段見慣れている光景でも、「あれっ?」といった面白さを写真に、しかも簡単に付け加えてくれるのだから楽しい。

 S110に搭載されているクリエイティブフィルターは、「ハイダイナミックレンジ」「トイカメラ風」「モノクロ」「ジオラマ風」「魚眼風」「ソフトフォーカス」「極彩色」「オールドポスター」「ワンポイントカラー」「スイッチカラー」「ノスタルジック」の11種類。

 使い方はとても簡単で、撮影モードダイヤルを丸が二つ重なったようなアイコンの「クリエイティブフィルター」にセット。「FUNC.SET」ボタンを押して、メニューから各項目を選べばOKだ。この時、液晶画面上へリアルタイムに効果が表現される。また、エフェクトによっては効果の強弱や色の選択といった細かな設定もあり、コントローラーリングや「DISP.」ボタンで好みに合わせて変えられる楽しみもある。

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photophoto クリエイティブフィルターは11種類。説明だけではなく、効果もすぐさま液晶画面上へ反映されるので分かりやすい。コントローラーリングで効果の強弱も変えられる

 S110を持って街中をぷらぷらと歩いていると、目に飛び込んできたのは素敵な服を着たマネキン。マネキンというのはカッコイイ服を着ている上にスタイルがよいときているので、中年体型化の進行を常におびえる自分としてはニクイ相手であもる。そんなスタイリッシュな姿を面白くしてやれというわけで、まずは「魚眼風」を選択。もっとも強めの効果にして、コミカルにしてあげました。魚眼風のエフェクトでよくあるのが、イヌやネコの鼻に近寄って撮ったオモシロ写真。魚眼風はとにかく被写体を真ん中に持ってきて、なるべく近寄るのがコツだ。

photophoto マネキンはコミカルな雰囲気に。最初から丸い人形はさらに丸くなってとっても優しげになってしまった

 次に試してみたのは「トイカメラ風」。トイカメラとしては「HOLGA」や「LOMO」などが有名で、外見はチープながらも、その独特の写りに魅了されるファンは多い。その写りをエフェクトとして表現できるものだ。これで写すと見てわかるとおり、四隅の光量が落ちて、色彩は少し色あせた感じで表現される。色彩のはっきりとしたものだとギャップが楽しめる。

photophoto 色彩が落ち着き、四隅の暗さがのぞき込んだ感が出て独特の雰囲気になるトイカメラ風

 トイカメラ風で色あせ感のある写真を撮ってみたので、どうせならと「ノスタルジック」も試してみた。ノスタルジックは5段階で調整でき、電球の下で撮ったような雰囲気から段階を強めていくうちに彩度が落ち、ノイズ感が増すような仕上がりになる。下の写真は効果を「3」と「5」にして撮ったもの。5にして撮ったものは写真にこれでもかと粒状感たっぷりの表現が施され、まるで昭和時代の1枚。同じく色彩がモノトーンになる「モノクロ」は色調を「青」「白黒」「セピア」に変えることはできるが、粒状感のある仕上げはできないので、レトロな雰囲気を出したい場合はこちらを使おう。

photophoto レトロな雰囲気を出すには最適のノスタルジック。遠い記憶の中の一枚といった印象に仕上がる

 S110は、昨今のコンパクトデジカメでは当たり前のエフェクト機能となりつつある「ジオラマ風」もしっかり押さえている。これはピントが合う位置を特定のゾーンだけにすることで、残りがボケた箱庭風に仕上げるエフェクトだ。ピント位置は上下、左右である程度移動することが可能で、いろいろと試すことができる。

 撮影時は望遠すぎると周囲とのボケの差が薄くなるので、なるべく広角を意識したアングルを選ぶと面白く仕上がる。ジオラマ風にはもうひとつ面白い機能があって、このミニチュア効果を付けた上で、再生速度を速めた動画も記録できる。数年前、コミカルな動きが話題になったユニクロのスクリーンセーバ、あのような感じの動画を簡単に再現可能なのだ。

 これも撮影自体はすごく簡単で、シャッターボタンではなく背面の赤い「録画」ボタンを押すだけ。再生時の速度は、5倍速、10倍速、20倍速でセット可能だ。目まぐるしさを出したいなら20倍速にすることで表現できるが、1分間撮影したとしても約3秒にしかならないので、撮影時は頭に入れておこう。

 もうひとつ試していて面白かったのが「ワンポイントカラー」。地味と言えば地味なエフェクトだが、ビールのTVCMでビール缶以外がモノクロの映像を見たことありませんか? そう、あれです。これも使い方は簡単で、「DISP.」ボタンを押すか、左下に表示されているスポイトをタッチ。次に残したい色を真ん中の白枠の中に入れて、左ボタンを押してセット。

 これで下に表示されている色が指定した色に変わるので、あとはコントローラーホイールか上下のボタンで残したい色の範囲を調整すればよし。被写体によってはとても不思議な写真に仕上がるので意外なほどハマる。似た感じの機能で「スイッチカラー」というのもあって、こちらは指定した色を違う色に入れ替えてしまう。こちらも驚きの一枚用に遊んでみてもいい。青いトマトとかできるかも。

photophoto なんかおかしい。そういった少しイタズラっぽい写真が撮れるのがワンポイントカラー。スイッチカラーとあわせて使ってみたい

 S110はクリエイティブフィルターだけでもかなり遊べるカメラであるが、基本的な機能も充実しているので、コンパクトデジカメながらさまざまな写真に仕上げることも可能だ。ほかにも、NDフィルターやデジタルテレコンなど、便利そうな機能はとにかく豊富。小さなボディでも高画質で高機能、さらにスマートフォンのような操作性とWi-Fi機能が搭載されたS110は、普段使いのカメラとして常に持ち歩きたい製品といえよう。

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