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マニュアル撮影も楽しめる、快速小型軽量ミラーレス ニコン「Nikon 1 V2」(3/5 ページ)

» 2012年11月16日 00時10分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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豊富なオプションと増え始めた交換レンズ

 Nikon 1は1型という小型のセンサーを搭載するため、レンズに表記されている焦点距離に2.7倍するとだいたい35ミリ換算と同じ画角を得られる。標準ズームの「10-30mm」が「27-81mm相当」という具合だ。

 オプションのFマウントアダプター「FT1」を介すると、ニコンの一眼レフ用Fマウントレンズを利用できる。表記距離の約2.7倍という関係は変わらないので、50ミリのレンズは135ミリ相当の望遠レンズに、300ミリの望遠レンズをつけたら810ミリ相当の超望遠レンズになるわけだ。

photo FT1を利用すると、Nikon 1に一眼レフ用のFマウントレンズを装着できる。すると焦点距離で2.7倍換算の望遠になる。ただ、AFが中央一点になるなど制限は発生する
photo V2+FT1に、フルサイズ用のAF-S 70-300mmをつけてみた。810mm相当の超望遠レンズになるが、見ての通りボディが小さいので見た目が面白いことになる。これで高速連写すれば一眼レフでは難しい瞬間も撮れたりして楽しい

 AF-SレンズだとAFも可能だが、残念ながら中央一点AFのみとなるし、スマートフォトセレクターも使えないなど制限がでる。そこが残念だが、割り切れば、十分快適な撮影ができそうだ。今回は、50mmF1.8と70-300mmF4.5-5.6を使って撮ってみた。これはなかなか楽しい。ただ、Nikon 1専用の1 Nikkorレンズが増えてきたので、FT-1に頼らねばならないシーンは減っていくだろう。

 新しい「1 NIKKOR 18.5mm f/1.8」は50mm相当の単焦点レンズ。明るい標準レンズの登場だ。さらに2012年10月には、超明るい中望遠レンズの32mmF1.2、さらに超広角ズームと高倍率ズームレンズの開発発表もされている。

 個人的にはより室内でもシャッタースピードを上げられる(シャッタースピードをある程度あげないと、スマートフォトセレクターなど高速連写が必要な機能を室内で楽しめないのだ)明るい単焦点レンズが欲しいところ。

 オプションとしては上面の専用アクセサリシューに装着するステレオマイクやクリップオンストロボ、GPSユニットなどが用意されているが、V2ではUSB端子に装着するWi-Fiアダプター「WU-1b」にも対応した。これは同社の一眼レフ「D600」で使えるWi-Fiアダプターで、スマホへの画像転送や、スマホをワイヤレスリモコンとしても使える。

photo この小さなWU-1bを装着し、メニューからワイヤレスモバイルアダプターをオンにすると、V2で撮った写真をスマホに転送できる

 Nikon 1のウリは軽さと速さである。

 それが軽さと速さをオートで楽しむカジュアル系のJシリーズと、マニュアル系撮影で楽しむ本格派のVシリーズに性格がはっきりとわかれた。面白い。

 操作系に細かい不満点はあるが、軽快なスナップ撮影を楽しむミラーレス一眼としては屈指の存在だろう。V1から1年でこれだけ違うものになるとは驚きで、いっそのこと、JでもVでもない別の名前にしてもよかったくらい。

 ミラーレス一眼は各社から出ているが、その中でもソニーのNEXとニコンのNikon 1は従来のカメラとは違った感覚で撮れる新しいカメラを作ろうとしていて注目できる。特にNikon 1はセンサーが小さい分、レンズも小さく作れるのでボディのコンパクトさを生かした展開が可能だ。それも含めて今後が楽しみである。

 正直なところ、V2は気に入りました。これに「1 NIKKOR 18.5mm f/1.8」を付けて、超軽快なサクサクスナップ撮影を楽しみたいなあと思っております。

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