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進化し続ける“5”は「未来に生きるカメラ」へ ソニー「NEX-5R」(2/5 ページ)

» 2012年11月22日 00時10分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

自分撮り対応ボディと新しいインタフェース

 NEX-5系にはNEXのエッセンスが詰まってる。マウントと撮像素子とグリップと液晶モニタという最小限の構成をギリギリのサイズにおさめたミニマルなデザインでありながら、液晶モニタをチルト可能とすることで自由な撮影スタイルをもたらしたのだ。

 ボディが小さい上、随所に凹凸があるのでどう握ってもしっかり持てるのがよい。液晶モニタの開き具合で撮影アングルを調節し、それに応じた自由なグリップで自由に撮る。今までの、アイレベルでファインダーを覗いて撮るカメラをベースにしたデジカメとは、一線を画すデザインなのである。

 NEX-5Rもそれを継承しつつ、さらに進化した。

 ポイントは2つ。ひとつは液晶モニタ。NEX-F3ではモニタが180度チルトして自分撮りモードになるという機能がついたが、F3のチルトは上には180度曲がるけど逆に下を向かなくなった。つまりハイアングル用の角度にはならなかった。だが、NEX-5Rではヒンジが2箇所に増え、180度上に回して自分撮りができる上に、下に向けてハイアングル撮影(約50度)にも対応してる。これはよい。

photophotophoto 通常時(写真=左)、ハイアングル(写真=中)、ローアングル(写真=右)
photophoto ヒンジが2つに増えたのでこんなスタイルも(写真=左)、自分撮り(写真=右)
photo モニタをこちらへ向けると自動的に表示が反転して自分の姿を正像でとらえられる。また、このときは2秒のセルフタイマーが働くのでシャッターを押してから視線をレンズに戻す余裕を与えてくれる。
photo 自分撮りしたカット。妙に肌つやがいいのは美肌機能がオンだから。

 手に持って自分撮りのみならず、家族で記念写真撮るときもモニタを見ながら構図をチェックできる。後述するスマートフォンをつかったリモコン機能を併用すれば完璧。

 液晶モニタはNEX-5Nと同様に感圧式のタッチパネル式。必要に応じてメニュー操作ができるほか、タッチAFやタッチシャッターも可能だ。個人的には感圧式ではなく静電容量式にして欲しかったと思う。

 もうひとつのポイントは操作系。

 NEX-5/5Nは機能の割にはボタンが少なかった。撮影モードダイヤルもないほどシンプルだったため、ちょっとした設定を変えるにも何ステップもの操作が必要だった。

 新製品のNEX-5Rはボディサイズはそのままに、電子ダイヤルとFnキーが新設された。電子ダイヤルは絞り値(あるいはシャッタースピード)を変えるほかに、メニュー操作でも使える。従来、キーカスタマイズしなければ使えなかったカスタムメニューもFnキーにデフォルトで割り当てられておりすぐ使える。まだ電子ダイヤルと背面ホイールの使い分けが整理されてない面も見受けられるが、操作性という意味では大きな前進だ。

photophoto Fnキーに割り当てる機能は最大6つまで自由に選ぶことができる(写真=左)、Fnキーを押すとこの画面に。十字キーの他、項目は電子ダイヤルで、項目内のパラメーターは背面のホイールで選択。逆の方が使い勝手はよい気はする(写真=右)

 撮影機能はNEX-5Nから大きな変化はない。プレミアムおまかせオートにP/A/S/Mの各モード、それぞれのモードでピクチャーエフェクト機能(いわゆるデジタルフィルタ)を使えるし、HDRも使える。スイングパノラマ機能も健在だ。

photo ポートレート向けに、オートポートレートフレーミングや美肌機能を搭載

 面白いところでは、2012年春モデルのαから搭載されはじめたオートポートレートフレーミング機能。人物を撮ったとき、カメラ側が自動的に「ポートレート用のフレーミング」でトリミングして勝手に「教科書的な人物写真」を作ってくれる機能。面白いのは超解像技術を使い、トリミングした写真もなぜか1600万画素相当のフルサイズで記録されること。もちろん元構図の写真も記録されるので、これをオンにしておいても問題は無さげだ。


photophoto 左は元の構図。右はオートポートレートフレーミングが働いて自動的にトリミングされた写真。美肌機能がオンになっているので肌もつやつや。2枚とも画像サイズが同じなのは、超解像が働いて画素補完されてるから。レンズはE 50mm F1.8 OSS(SEL50F18)

 動画はAVCHDのフルHDで60pに対応。30pや24pも選べる。MP4にすると1440×1080ピクセルで30pと若干劣るが、用途によって選択可能だ。ただ、連続して記録できるのは約29分までという制限は継承されている。

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