ペンタックス「K-5 II」と「K-5 IIs」は、有効1628万画素のCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフだ。2010年に発売された「K-5」の後継機にあたり、ボディデザインを継承しながら、AF性能と液晶視認性の改善を図っている。
K-5 IIとK-5 IIsの違いはローパスフィルターの有無だ。K-5 IIは、ほかの多くのデジタル一眼と同じく、CMOSセンサーの前面にローパスフィルターを配置し、モアレなどの原因となる高周波を遮断している。一方のK-5 IIsは、ローパスフィルターを省くことで、より高精細な描写を実現している。このローパスフィルターの有無以外の仕様には、両モデルに違いはない。実売価格の差は1万5千円程度。ここではローパスレスのK-5 IIsを取り上げよう。
まず、従来機K-5からの改良点を確認しておこう。最大の進化は、AFモジュールが「SAFOX IX+」から新開発「SAFOX X(サフォックス・テン)」に変更されたこと。これによってAFセンサーが高感度化し、AF輝度範囲は-3~18EVに拡張(従来機は-1~18EV)。夜間や室内といった少々薄暗いシーンでもしっかりとピントが合う。
AFの測距点は、これまでと同じく9点のクロスタイプを含む11点測距となる。このうち中央の1点は新たにF2.8の光束に対応し、開放値が明るい大口径レンズを使用した際の、合焦精度がアップしている。またAF設定のひとつとして、セレクトエリア拡大機能を搭載した。これをONにすると、AF.C(コンティニュアス)モードで動体を撮る際、任意選択したセレクトポイントから被写体が外れても、周辺の測距点を活用して追尾を継続することが可能になる。スポーツの撮影などで役立つ機能といえる。
液晶モニタについては、保護カバーと液晶の間に生じる隙間を特殊樹脂で埋めることで、光の乱反射による視認性低下を防ぐ新方式「エアギャップレス」を採用。明るい屋外での反射が抑えられ、画像の確認がいっそうしやすくなった。さらに、保護カバーをアクリルから強化ガラスに改良したことで、擦りキズによる視認性の低下も防いでいる。
そのほかの変更としては、画像再生時の「2画像比較」項目が削除されたことや、対応記録メディアにSDXCカードが追加されたこと、オプションのGPSユニット「O-GPS1」が利用可能になったことが挙げられる。このうち、SDXCカードとGPSユニットについては、従来機K-5でもファームアップによって対応可能だ。
これら以外の仕様や機能、操作性、デザインは従来モデルを継承している。画質については、前述の通りK-5 IIsの場合は、ローパスレス化したことでさらに高精細になっている。
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