インタビュー
» 2012年12月06日 09時00分 UPDATE

“触れれば分かる”高級コンパクト、オリンパス「XZ-2」その魅力 (1/2)

明るいレンズとコンパクトデジカメとは思えない画質で世間を驚かせた「XZ-1」に続く、新モデル“STYLUS”「XZ-2」。どのようなコンセプトで登場したのか、詳細をオリンパスに聞いた。

[野村シンヤ,ITmedia]
photo オリンパスイメージング 開発本部 商品開発2部 2グループ 課長 吉田仁氏

 開放F1.8という非常に明るい「i.ZUIKO DIGITALレンズ」が描き出す、コンパクトデジカメとは思えない画質で2011年2月に登場して話題となった「XZ-1」、そして、約1年半を経て登場した「STYLUS XZ-2」(以下 XZ-2)。同社コンパクトデジタルカメラのフラグシップとして、XZ-1からどういった進化を遂げたのか、機能的な部分や登場した背景などを商品開発を担当する吉田仁氏(オリンパスイメージング 開発本部 商品開発2部 2グループ 課長 )に聞いた。

要望に応えるべく画質と操作系を改善

━━まず、XZ-2がXZ-1と比べて、どこが変更されたのか教えてください。ワイド端で開放F1.8、テレ端でF2.5というレンズのスペック自体は変わらないようですが。

吉田氏: 大きく変わった点は2点、レンズまわりと操作系です。レンズ自体はXZ-1と同じ「i.ZUIKO DIGITALレンズ」を使っていますが、撮影最短距離が変わっています。XZ-1はマクロモードにしてワイド端10センチ、テレ端30センチでしたが、今回はマクロモードはなくして、通常状態でワイド端5センチ、テレ端20センチまで寄れるようにしてあります。ワイドからテレまで、通常の至近の撮影域ですとほぼ同じ倍率でずっと撮影できます(注:ワイド端固定で1センチまで寄れるスーパーマクロも搭載)。

 レンズのF値は変わっていませんが、マクロモードをなくしたことでXZ-1より利便性が増したのではないかと思います。いいところはそのまま残し、さらに改良を加えたと理解を頂ければ幸いです。

 あと、撮像素子を変更しましたので、ISO12800までの高感度撮影に対応できています。XZ-1に対してノイズも約一段分くらいは良くなっています。XZ-1のオート撮影では、あまりISO感度を上げずにシャッタースピードを遅く“粘る”ようにしていましたが、XZ-2では高感度に強い撮像素子を採用したこともあって、ISO感度を積極的に上げ、シャッタースピードの低下を押さえるよう、性格づけも変えています。

――操作系については「コントロールレバー」の新設など、かなり手が加わっている印象です。

吉田氏: XZ-1では「レンズはいいけれど、使い勝手が……」という意見を頂いたこともあり、使い勝手、操作性に関しては可能な限り進化させています。なかでも「コントロールリング」については、XZ-1の時には機能をカスタマイズできませんでしたが、各撮影モードにごとに好みの機能を割り当てられるようにしてあります。さらに正面のFn2ボタンを活用頂けると、より詳細な設定をコントロールリングで行えます。

photo 前面のFn2ボタン一体型「コントロールレバー」

 あと、XZ-1ではMFが使いにくいというご意見も頂いていました。XZ-1ではMFをメニューよりボタンで選んでから、コントロールリングを操作するという手順でしたが、XZ-2では、本体前面の「コントロールレバー」からAF/MFの切り替えをワンアクションで行えるよう、設計しました。

━━この「コントロールレバー」メカニズムは、オリンパスのほかのカメラにはありませんよね?

吉田氏: ないですね。XZ-2はファインダーを搭載しないので、背面液晶を見ながらの撮影になるのですが、それでも、カメラを構えたまま、できる限りの撮影設定操作ができるようにしようという発想から、コントロールレバーとFn2ボタンを導入しました。

━━XZ-2を使っていて思ったのですが、このカメラはとにかくレンズ付近を操作するなどレンズ交換式カメラに近い操作形態を持つように感じました。PENやOM-Dなどのサブ機としての利用も想定していたのでしょうか。

吉田氏: 前モデルXZ-1のユーザー層は大きく分けて2つに分類できました。ひとつはハイアマチュアの方など常にレンズ交換式カメラを使っている方たちと、今まで一般的なコンパクトデジカメを使っていて、もっといい絵が撮りたいと思って手にしてくれた方です。前者の層からの意見を多く参考にさせて頂いたので、XZ-2はPENやOM-Dを使っている方にも使いやすいカメラに仕上がっていると思います。

モノとしての良さ、触って満足のできるカメラ

吉田氏: 余談ですが(ストロボ発光部分を出してみる)、このようにストロボがスーッと出てくるような機構を入れています。ストロボがパコンと飛び出てくるとどうしても安っぽい感じになってしまうので、そうした質感、高級感の低下はどうしても避けたかったのです。

━━本当に細部まで作り込みがなされており、良くできていると感じました。

吉田氏: その「触れれば感じる、カメラとしての良さ」を伝えるのは難しいのですが、その「良さ」のためにかなりの努力をしています。背面ボタンの配置についても、親指を置いた時にほかのボタンが邪魔にならないよう、デザイナーにも知恵を出してもらい、モックアップも何度も作って確認しました。

 それとグリップとコントロールレバーの位置関係、形状にもこだわって作っています。グリップを握ったときにレバーが邪魔にならないよう、また、同時にレバーを動かすときにグリップが邪魔にならないよう、考えてデザインしました。あと、コントロールリングはメカ機構によってクリック感を得られるのですが、これも、このフィーリングを出すのに苦労しました。

photophoto 細部に渡る作り込みがなされているXZ-2。モックアップも写真のものを含め相当数が作られた

━━確かに撮影していると、ボタンやリングの配置、サイズが絶妙と感じました。最初は不用意に触ってしまうのですが、慣れてくるとこのボタン(Fn2)がとても便利で、カメラの構えを外さず、手元だけで操作できてしまうのが非常に快適でした。

吉田氏: そこは狙い通りです。XZ-1では操作性に関して多くのご意見を頂きましたので、そこ(操作性)に関しては特に力を入れました。

━━外観については、クラシックテイストで男性向けといった印象を受けますが、それは意図したものでしょうか。

吉田氏: そうですね。「男の持ち物」という感じは狙っています。ですが、カメラらしいデザインであっても女性に受け入れて頂きたいです。カラフルなグリップ(ベージュ、レッド、パープルの3色を用意する交換グリップ「XCG-2」)をつけて頂くなどすれば、女性にも受け入れてもらえるかな、とも思います。

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